39.別れの夢 ページ41
「Aちゃん...」
誰かが後ろから私を呼んだ気がする
後ろを振り返るとずっと会いたかった人がいた
『ーーーっムサシ先輩!!』
勢いよく飛びつく
『...やっと会えた』
先輩の胸板に顔をスリスリして甘える
しかし、暫くしても先輩に反応はない
『先輩?』
おかしいと思い顔を上げると悲しそうな顔をした先輩が見えた
ム「...ごめんね」
頭を撫でながら謝られる
だが、何に対して謝っているのかは分からない
『どうしたんですか一体...先輩は何も謝ることしてないですよ』
ム「___っ何でだよ!!!」
初めて聞く先輩の怒鳴り声に驚いた
ム「何でッ...そんなに優しいんだよ...。いっその事恨んでくれた方が楽だったのにッ」
恐らくあの時の事件の事を言っているのだろう
頭を抱えて蹲る先輩をふわりと抱きしめた
『先輩の事大好きなのに、恨むわけないじゃないですか』
ム「!!...Aちゃん、」
不意に口付けされた
当たり前のように顔が赤くなる
『いきなりは...心臓に悪いです///』
本当にいつか心臓が止まりそう
心の中ではしゃぐも次の一言で頭が真っ白になった
ム「これで後悔せずにサヨナラできる」
『え?それってどういう...』
先輩の方を向くと目に涙が溜まってた
ム「じゃあ、バイバイ」
そう言って後ろを向き歩き始める先輩
“待ってください”
そう言いたいのに声が出ない
段々、先輩が暗闇に飲まれていく
動こうにも何かに縛り付けられた様に動かない
先輩が消えた瞬間、意識が遠くなった
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作者名:うさぎ | 作成日時:2019年10月6日 18時