16 会うのは2回目 ページ16
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片付けも終わり待機室に荷物を取りに行く。体育館の入口を出ると人がすごく集まっていてビックリした。
ザワザワした中で「山王まだ出てこないかな〜」「写真撮ってもらお!」という話し声が聞こえる。優勝校ってすごいな…芸能人みたい。
私は小さくなりながら歩きだすと誰かが私を見て山王のマネージャーだと言って指を指した。
つい反射的に振り向くとみんな私を見ている。思わず後ずさると何人か私に向かってきた。
「優勝おめでとうございます!山王初の女子マネなんですよね!いいなー」
「噂通りめっちゃ美人ですね!写真お願いしてもいいですか?」
「えっ…と」
なんて返したらいいか分からなくてキョドってしまう。てか、こういうの初めてで………苦手。
写真はちょっと…っと断ろうとしたとき見覚えのある顔が私を囲む集団を横切った。私は思わず「あっ!」と声をかけた。
「?…あ、Aさん!こんなとこで何してんすか!?」
よかった沢北くん気づいてくれた!
沢北くんは人をグイグイ押しよけて私の前に来た。
「ん?Aさんなんか顔ひきつってません?」
「……アハハ」
私は苦笑いをして返した。沢北くんに声をかけたこと間違いだったかな…(苦笑)
そう思った瞬間、沢北くんは私の手首を掴んでずんずんと歩き始めた。少し人気がないところに連れてきてくれると螺旋状の階段の下の方に私を座らせた。
「ちょっと待っててください」
え、どこ行くんだろ…走っていってしまった。
しばらく待ってると沢北君は右手に缶ジュースを握りしめて戻ってきた。
「すんません、待たせて!これ、この前の絆創膏のお礼です」
「え?…あぁ、そういえば怪我してたんだったね。お礼なんていいのに」
「いやいやもらってください。おかげで傷治ってきたんで」
どうぞ、と差し出してくれた缶ジュース。私はありがたく受け取った。そして当たり前に隣に座る沢北君。
「さっきの、大丈夫でした?」
「……ううん。人見知りだしああいうの初めてでどうしたらいいか分かんなくて困ってたの。丁度、沢北くんが通ったの見えてよかったー」
「めちゃくちゃ困った顔してましたもんね。助けることができてよかったです」
気づいてくれてたんだ。でも不思議。沢北くんとは会うのは2回目なのにこんなに安心して話せるなんて。
ほんと不思議だ。
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なな(プロフ) - 初見です!!!バッシュの話が尊すぎてニヤケ止まらないですありがとうございます、、😭沢北くんあんまりないので供給助かります!!更新楽しみにしてます!!無理せず頑張ってください😭 (3月20日 19時) (レス) id: 3ca32de087 (このIDを非表示/違反報告)
きょんす(プロフ) - シルビア★姉貴さん» ありがとうございます♡スラダン好きなんですね😁このお話も楽しめたなら嬉しいです🙏 (2月24日 23時) (レス) id: c020921dff (このIDを非表示/違反報告)
シルビア★姉貴 - きょんすさん» 🥺🥺分かりました。大丈夫ですよ!!🫡🫡✌️✌️ (2月24日 21時) (レス) id: b720108b83 (このIDを非表示/違反報告)
きょんす(プロフ) - シルビア★姉貴さん» コメントありがとうございます!そして返事が遅くなりすみませんm(_ _)m 合作の件ですがありがたいのですが今の小説でも更新が不定期になってしまっているので難しいです…誘って下さりとても嬉しいです!またの機会によろしくお願いします。 (2月24日 21時) (レス) id: 29e0142093 (このIDを非表示/違反報告)
シルビア★姉貴 - きょんすさん» 初コメ失礼します。もし良ければ、最初に仙道オチ、次に信長オチで、合作しませんか!? (2月17日 19時) (レス) @page29 id: b720108b83 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:きょんす | 作成日時:2023年2月14日 22時