好きな人【沢北栄治】 (ページ14)

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「だから3週間くらい、みんなに迷惑かけちゃうけど宜しくね。」

「迷惑なんて思ってねぇよ。たまには休んで欲しかったくらいだし。」

「そうそう。まぁ、チアの練習で休む暇なんか無いと思うけど。」

毎日毎日1番早く部活に来て、物凄い数の部員のドリンク作りとか洗濯物とか1人でやって、
オレだってたまには休んで欲しいな、って思ってた。

思ってたけど！3週間とか長すぎだろ！
しかも完全に休める訳じゃないし。
なんならマネの仕事よりキツイんじゃないのか？

どっちもやったこと無いから分からないけど。

「沢北くん？」

Aさんのその声にハッと我に返る。

「…あ、はい」

「何か怒ってる？すごい眉間にシワ寄ってるけど…」

「あ、いや…すんません、Aさんに会えなくなるの寂しいなって…」

「え？」

あ、やらかした…
そう思ったときには遅かった。

「ちょ、今の聞かなかったことにしてくれませんか！！！」

「もしかしてオレら邪魔？」

「帰るか～」

気を遣ったつもりなのか、先輩たちはそう言って体育館を出ていってしまった。