62話 ページ14
「新必殺技?」
「オーストラリア戦とカタール戦。二試合を戦って、皆も世界のレベルの高さを実感したと思う」
朝、鬼道は食堂に全員が揃ったことを確認すると新必殺技の習得を提案した。朝食には手をつけず、全員が続く鬼道の言葉に耳を傾ける。
「アジア予選を勝ち抜き世界大会へ進むためには、より強力な必殺技が必要だ。…風丸、日本代表メンバーを決める紅白戦で、お前が綱海を抜こうとしたときのことを覚えているか?」
「俺が綱海を?」
風丸と円堂は顔を見合わせる。「…あ、あのときか!」先に思い当たったのは円堂だった。
「一瞬風がぶわっとなって…」
「覚えてるぜ、確かにすげえ風だった!」
「あの風にさらなる磨きをかければ、強力な必殺技になるはずだ。久遠監督にも自主練習の許可は取ってある」
そこまで言われて察せない風丸ではない。その必殺技を完成させればいいんだな、と言えば鬼道は頷き、次に吹雪と土方を見遣る。
「それから吹雪と土方。2人には連携必殺技のシュートを習得してもらいたい」
「連携の必殺技?」
吹雪が鬼道の言葉を反芻した。パワーと安定したボディバランスの土方、スピードの吹雪。2人の連携必殺技があれば強力な武器になると鬼道が言う。要するに攻撃の幅を広げるのだ。
「連携必殺技か…なんか面白そうだな!」
意欲を高める吹雪と土方を見て感化されたのか綱海がそう呟く。俺たちもやってみっか!と綱海が連携相手に選んだのは隣に座っていた壁山で、突然話を振られた壁山はパンを喉に詰まらせ噎せた後に「っま、え…俺っスか!?!?」と大きな反応を示した。
「なんだよ、嫌なのかよ〜」
「ああっいや、別に、嫌ってわけじゃあないんスけど……、」
いいわけでもないっス…。そんなことが言えるはずもなく「じゃっ決まりだな!いいだろ鬼道!!」と着々と話を進められる。ここで鬼道が難色を示してくれればよかったのだが「面白いコンビかもしれないな」と返されいよいよ逃げ場がなくなった。
「よーっし!すっげえ必殺技完成させてやるぜ!!なっ!壁山!!」
「は、はいっス…」
がっくりと肩を落とす壁山。そこで新必殺技の話は終わりのようで、「それじゃあ、いただきます!」と円堂が手を合わせて元気良く声を上げれば全員がそれに続いた。一日が始まる。
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bizyu(プロフ) - とても面白くて一気読みしてしまいました！これからまた読み直そうと思います！ご自身のペースで更新してくださると嬉しいです(◍•ᴗ•◍) (12月28日 21時) (
レス) id: 529a911b17 (このIDを非表示/違反報告)
葵 - とても面白かっです！！続きが気になりすぎて夜しか眠れません。更新よろしくお願いします (12月15日 18時) (レス) id: 51c9a307dd (このIDを非表示/違反報告)
サカナ(プロフ) - 素敵な作品をありがとうございます！思わず一気見しちゃいました笑更新楽しみにしてます！ (10月29日 22時) (レス) @page29 id: ff0b9e3173 (このIDを非表示/違反報告)
テオ - とても面白かったです！続きが気になります！！また書いてくれるのを楽しみにまっています！ (8月31日 9時) (レス) @page29 id: 715df6a9c3 (このIDを非表示/違反報告)
チョコドーナツ(プロフ) - またまた戻って来てしまいました……！イナズマイレブン熱はいつになっても冷めないようです笑何度読んでも面白くて最高です！ (8月21日 19時) (レス) id: 915577a7d1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：不二市
| 作成日時：2019年1月7日 3時
