53話 ページ5
『いかせない…!』
「女はすっ込んでろよ…!」
水城が猛然とゴールに迫るザックの進路を阻み、奪取するべくタイミングを見計らいボールに蹴りを入れた。しかしザックも咄嗟に反対側から蹴り込んだことで、両者の右足がボールを挟んで
「仕方がない!」
『なっ、』
ザックが微かに優勢になったと思えば、突然力を抜かれ水城は思わず前方にバランスを崩す。即座に足を踏み出し転倒は免れたもののその間にボールは打ち上げられ、慌てて肩越しに振り返ったときにはすでにビヨンにパスが通ってしまっていた。
「パワーで押し通すと思ってただろ?」
『っ…!』
決して油断していたわけでも、気を抜いていたわけでもない。しかし不意をつかれ突破されたのは紛れもない事実。つまり、事前の情報や実際のプレーでデザートライオンは“パワーで押し通す”タイプなのだという先入観に囚われ、まんまとしてやられたのである。
相手は国の代表選手。プレーについて思慮が浅いはずがないのだ。ボールを奪うことに必死になり、そんな当たり前のことも失念していた。しっかりしろ、熱くなるな、冷静になれ。水城は俯くと、自身を咎めるように横髪を強く掴み下唇を噛み締めた。
「ミラージュ…シュートォッ!!」
「うおおおお!!正義の、鉄拳!!!」
視覚を惑わす蜃気楼と強烈な光を
円堂が安堵の息をもらした一方でビヨンは鋭く舌打ちをする。薄々感じていたがデザートライオン、かなり気性が荒いというか、ガラが悪い。
「皆、守り切るぞ!」
試合は2-1でロスタイムに突入する。コーナーに立つビヨンとコーナーアークに設置されたボールを見つめながら、ここを凌げば勝てるのだと、ゴール周辺に集う仲間に円堂は声を飛ばした。
「おおっとここでショートコーナー!意表を突かれた!!」
「っコースを切れ!!」
ゴール前に上げられると思っていたボールはノーマークのセイドへ。鬼道が指示を飛ばすも間に合わずシュートを打ち込まれる。
「止める!!…っ!?」
「はあああっっ!!」
回転がかかっていたのだろう、円堂が触れる直前に浮き上がったボール。躍り出たザックが叩き付けるようにヘディングすると、それは反応の遅れた円堂の脇をすり抜けゴールの中を転がった。
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bizyu(プロフ) - とても面白くて一気読みしてしまいました！これからまた読み直そうと思います！ご自身のペースで更新してくださると嬉しいです(◍•ᴗ•◍) (12月28日 21時) (
レス) id: 529a911b17 (このIDを非表示/違反報告)
葵 - とても面白かっです！！続きが気になりすぎて夜しか眠れません。更新よろしくお願いします (12月15日 18時) (レス) id: 51c9a307dd (このIDを非表示/違反報告)
サカナ(プロフ) - 素敵な作品をありがとうございます！思わず一気見しちゃいました笑更新楽しみにしてます！ (10月29日 22時) (レス) @page29 id: ff0b9e3173 (このIDを非表示/違反報告)
テオ - とても面白かったです！続きが気になります！！また書いてくれるのを楽しみにまっています！ (8月31日 9時) (レス) @page29 id: 715df6a9c3 (このIDを非表示/違反報告)
チョコドーナツ(プロフ) - またまた戻って来てしまいました……！イナズマイレブン熱はいつになっても冷めないようです笑何度読んでも面白くて最高です！ (8月21日 19時) (レス) id: 915577a7d1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：不二市
| 作成日時：2019年1月7日 3時
