【イナズマイレブン】紺碧のイノセンス VII (ページ46)

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46話ページ46

「な、なんと!!コーナーから直接ゴールに叩き込んだ!!イナズマジャパン先制!!先制です!!!」

ミスキックだ。そう思わせるほどに大きく上げられたボールは突如頭上で急カーブし、観客、相手、そして味方でさえ目を見張る中ゴールネットを揺らした。予想だにしないプレーに驚きながらも角馬が高らかに声を上げると、その瞬間スタジアム全体が爆発的に盛り上がる。

『…』

「?どうしたんですか?一青さん」

バナナシュート(冬花命名)が決まり湧き上がるベンチ陣。そんな中眉を寄せどこか難しい表情をしている水城に珍しいな、と思いつつ立向居が声をかける。いや、そもそも水城がベンチスタートということ自体がわりと珍しいのだが。

『……いや、こう、すごく風丸君の方に走っていきたい』

「あ、ハイタッチですか」

一拍遅れて両手を小さく前に出しハイタッチのジェスチャーをした水城になるほど、と頷く立向居。水城は膝の上に両手を戻すと、唇を真一文字に引き結んでフィールドに視線を向けた。

「邪魔する奴は吹き飛ばす!」

「思う念力岩をも通すと言ってね!」

試合再開。先制されたことで攻勢を強めるデザートライオン。だがそれに呑まれるイナズマジャパンではない。特訓の成果だろう、緑川がザックから難なくボールを奪うと素早く相手陣営に切り込んでいく。

「吹雪!」

「奴だ、マークに付け!!」

パスコースを読んだビヨンがジャメルと共に吹雪に迫る。ここでボールを受け取っても一対二では分が悪い。一瞬思いを巡らせ吹雪が咄嗟にそのボールを見送ると、代わりに奥の完全にフリーだった基山が受け取った。吹雪が受け取るとばかり思っていたデザートライオン陣に動揺が走る。

「流星…ブレード!!」

基山が放ったそれは眩い橙の尾を引いて真っ直ぐにゴールへと向かっていく。はっと我に返ったナセルが手を伸ばすもその指先にさえ掠ることはなく、2点目となるシュートがゴールに叩き込まれたのだった。