【イナズマイレブン】紺碧のイノセンス VII (ページ3)

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3話ページ3

「母ちゃんかよ!!…って、一青!?」

『キャプテン久しぶり～』

背後から突然出てきた手に視界を遮られ円堂は思わず声を上げる。聞き覚えのある台詞とともに退いた手の主は青と白、湊中のジャージを身に纏(まと)った水城。円堂は勢いよく振り返って彼女の存在を視認すると、その瞬間嬉しそうに顔を綻ばせた。

「一青ちゃん一青ちゃん、僕にもそれ後でやってほしいな」

『もう意味ないかなあ』

真っ先に吹雪が駆け寄ってきて水城に言う。しかし水城の言うとおりすでに正体を明かしているのだからもう意味がない。残念、と笑いながら吹雪は肩を竦めた。

「一青も響木監督に呼ばれたのか?」

『まあそうだね。……キャプテンなら、選ばれてると思ってた』

「え?」

「皆揃ってるか」

円堂が聞き返そうとしたそのとき、鉄製の扉が重い音を立てて開く。目を向けるとマネージャー3人を連れた響木がおり、全員が話を止めそちらに駆け足で向かっていった。

「っ!!」

風を切る音が鬼道の耳に届く。振り返るとボールが向かってきており、即座に蹴り返すとその戻ってきたボールを受け止めたのは真･帝国の不動であった。ボールを足の下に置くと嫌な笑みを浮かべる。

「不動!何の真似だ!!」

「アイサツだよアイサツ。シャレの分かんねえ奴」

鬼道が怒鳴るも不動は飄々とした態度でせせら笑った。全員、特に真･帝国で散々な目に遭わされた佐久間や染岡が不動を強く睨み付ける。

「響木さん…まさかあいつも…!」

佐久間が振り返り言うと響木はにいっと笑い、「これで全員揃ったな。いいかよく聞け!」と話をする体勢に入る。全員が響木に向き直った。

「お前たちは、日本代表候補の強化選手だ!」

「日本代表…?一体なんの…」

響木の言葉にざわつき頭上に疑問符を浮かべる彼ら。突然代表候補だと言われても理解が追い付かない。首を傾げながら円堂が尋ねた。

「今年からフットボールフロンティアの世界大会、フットボールフロンティアインターナショナル、通称FFIが開催される」

順を追って説明していく響木。そのFFIとは少年サッカーの世界一を決める大会で、ここに集まったお前たちはその代表候補だと告げた。響木の言葉に実感が持てず目を瞬く彼ら。体育館に沈黙が流れる。

「世界…。…すげえぜ皆!!次は世界だ!!!」

「「「「おおおっ!!!」」」」

円堂が言葉を反芻し、そして振り返って右手を突き上げる。それを皮切りに体育館内は一気に賑やかになった。