【イナズマイレブン】紺碧のイノセンス VII (ページ16)

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16話ページ16

「えっ!?久遠監督がサッカー部を潰した!?」

『キャプテンしっ』

その日の練習が終了した後、食堂にて春奈に聞かされた話に円堂は思わず声を上げる。どこで久遠が聞いているか分からない、水城が慌てて口元に人差し指を立てて注意すると、円堂ははっとして自身の口を押さえた。

「間違いありません、サッカー協会の資料室で見つけたんです…!」

「サッカー協会?」

「あっ、いえ、いろいろありまして…!」

目金の言うようにいろいろあったのだが、練習中春奈と目金が一時いなかったのは、久遠について調べても全く情報がないことを不審に思い、サッカー協会に調べに行っていたからなのだ。

さまざまな情報が置いてある資料室に忍び込む前に受付嬢にばれてしまったものの、イナズマジャパンのマネージャーだということで特別に入れてもらったことを、選手の彼らは知る由もない。

「久遠監督は10年前、桜咲木中の監督をやっていたみたいなんです」

「桜咲木中?」

「はい。桜咲木中はその年、フットボールフロンティアの予選を大量得点差で勝ち進んでいたんです。ところが決勝戦の前になって、久遠監督が事件を起こしたことによってチームは決勝を棄権…」

「なんだって…?」

その事件についての詳細は記されておらず分からなかったようだが、春奈はそこから桜咲木中の監督について調べていった。すると、変な噂が出てきたという。

「久遠道也は、呪われた監督だって」

その言葉で、基山や風丸は円堂に顔を向ける。真相はどうであれ、あの監督をまだ信じるのか。そう問いかけるように。円堂は俯き考えるも、答えが出ることはなかった。

「どうしたんだ?秋」

「壁山君、いくらノックしても返事がないの…」

「…円堂」

『練習、もう始まっちゃうけど…』

そんなことを聞いた次の日。壁山が集合時刻間近になっても現れないという問題が起こる。人一倍気が弱く臆病な壁山。自分の所属するチームの監督がああだと聞いて、練習に身を入れられるはずがなかったのだ。