【イナズマイレブン】紺碧のイノセンス VII (ページ13)

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13話ページ13

「気にすんな!あんなの言わせときゃいいんだよ」

「…はい」

「なんでこんな奴が代表に選ばれたんだろうな…」

綱海が肩を叩き元気付けると虎丸は力なく返事をし俯いた。元々あった不動への不信感は、本人が拍車をかけたことによりさらに広がっていく。これからのことに不安と不満を募らせているとフィールドに久遠と、円堂たちと同年代の少女が共にやってきた。

「お前たちも顔は知っていると思うが、改めて紹介しておく。娘の冬花だ。今日からマネージャーとして参加させる」

「久遠冬花です。皆さん、よろしくお願いします」

紫苑色の髪をハーフアップにし、在籍している学校の制服に身を包んでいる。17人の視線を浴び緊張した様子の彼女は自己紹介をすると頭を下げた。

「私、マネージャーなんてやったことないからちゃんとできるかどうか分からないけど…」

「大丈夫だって!分からないことがあったら、なんでも俺に訊いてくれ!」

円堂が冬花に近付き明るく言うが、分からないことは秋や春奈に訊いた方がいいのは黙っておこう。

「よろしくお願いします、守君」

「わー!そうそう!そんな感じで昔、俺のこと守君って呼んでたんだぜ!」

『…キャプテンと久遠さん、どういう関係?』

「円堂が言うには、小1のときによく遊んでいたらしいんだが…」

あまりにも親しげに話しかけている円堂を不思議に思い、水城が左隣の風丸に尋ねればなんとも曖昧な答えが返ってきた。代表候補招集の数日前に雷門イレブンは一度冬花と会っている。そのときも円堂が今のように話しかけていたのだが、冬花は全く記憶にない様子であった。

「ずっと前のことはよく分からないけど、言いやすいから守君って呼ぶことにしたの」

「あっそうなのか…」

「駄目、かしら…」

「いや!もちろんOKさ!よろしくな、ふゆっぺ!!」

そして今も。彼女は雷門中ではないので途中で稲妻町を離れたのだろう。久しぶりに会えたのに覚えていないと言われ落ち込んだ円堂だったが、そこは持ち前の明るさで立ち上がり彼女を迎え入れる。冬花は静かに微笑んだ。

「これからアジア予選に向けて練習を始めるが、その前に一言言っておく。はっきり言おう。今のお前たちでは世界に通用しない!!」

冬花の紹介を終え、いよいよ練習が始まる。しかしその前に言われた久遠の言葉は、もれなく全員に衝撃を走らせ、そして愕然とさせた。