【イナズマイレブン】紺碧のイノセンス IV (ページ10)

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155話ページ10

「俺はどうすれば…」

「円堂さん、後半が始まります」

「あ、ああ」

ベンチから離れ、ノートを見つめる円堂に立向居が話しかける。それに反応した円堂はノートを置いてフィールドに入ろうとした。「円堂さん、」しかしその前に立向居がそれを引き止める。

「感じたことを言ってもいいですか…?」

「?ああ、なんだ?」

「……正義の鉄拳は凄い技です。見ていても、欠点があるとは思えません。ただ…」

「ただ?」

「…初めてマジン･ザ･ハンドを見たとき、あまりの凄さに雷みたいな衝撃が体を走ったんです。でも、正義の鉄拳にはそんな、衝撃みたいなものを感じませんでした」

「なんというか、ライオンはライオンでも、まだ子どもを見ているようとでもいうか…」そう比喩した立向居に、「子ども…」と円堂はこぼす。

「すみません、感覚的なことしか言えなくて…」

「…いや、立向居ありがとう!後半、頑張ろうぜ!絶対勝とうな!!」

「!はい!!」

具体的な言葉にできず立向居が謝るがそれもヒントとして受け取った円堂。立向居の肩を叩いて奮い立てた。

「ここまでだ。私のお前たちに対する興味はなくなった。よって、今からはお前たちを潰しにいく!覚悟しろ」

位置に着くなりデザームが無表情で言い放つ。最後にくっと唇の端を釣り上げたところで、後半開始のホイッスルが鳴った。雷門イレブンからのキックオフ。目金がリカにボールを送る。

「っ速すぎや!!」

そしてドリブルで上がっていくも、目にも見えぬ速さでデザームがボールを掻っ攫っていった。続いて一之瀬、鬼道、立向居もまとめて突破していく。蹴散らす、という言葉がぴったりだった。

「今度こそ…!」

「グングニル!」

デザームは先程正義の鉄拳を打ち破ったグングニルをまた打ち込んできた。これが決まれば1-2。まだ絶望的ではないものの、雷門の勝利が遠退いてしまう。

「簡単にはやらせないよ…!ザ･タワ───!!」

「ザ･ウォ───ル!!」

構えた円堂の前に塔子と壁山が躍り出て、シュートブロックをしようとそれぞれ必殺技を繰り出す。塔子も壁山も、水城が自身の足を犠牲にしてゴールを割った瞬間を後ろから見ていた。あれを、あのゴールを無駄にするわけにはいかない。しかしその思いも虚しく、二つの壁は破られてしまった。