【イナズマイレブン】紺碧のイノセンス IV (ページ47)

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192話ページ47

「なーに1人で悩んでんだ?言ってみな!」

「…!」

鬼道の蟠(わだかま)りが解消されたその一方、立向居は解決の糸口を掴めないでいた。円堂から借りた裏ノートを見つめ考えるも図が図なので頭に入ってこない。そんなとき肩を叩かれる。ずっと気にかけてくれている綱海だった。

「…裏ノートに書かれている言葉です。シュタタタタタン、ドババババーン!…これが分からなくて…」

「なんだそんなことかー!」

「分かるんですか!?教えてください綱海さん!!」

肩に掴みかかりながら尋ねるも有耶無耶な返事が返ってきた。不安でどんどん眉が八の字になっていく立向居。

「まあとにかくだ!悩んだとき、俺は海へ行くんだ!」

「は…?」

「海は凄いぞ!弱い波でも、何度も打ち寄せるうちに岩を削って、砕いちまうのさ!偉大だよなあ、海って!!」

「はあ…」

身振り手振りを交えて言われるも、結局どういう意味か分からず立向居は戸惑って曖昧な返事をした。

『立向居君立向居君』

「あっはい!なんですか?一青さん」

『私はね、ムゲン･ザ･ハンドって言うくらいだから手がたくさん出てくると思うの』

「手がたくさん…」

そこに水城がやってくる。裏ノートを見つめる立向居が、どうしても進展しているようには見えなかったからだ。

『必殺技の名前って、結構ヒントになるんじゃないかな。そこから考えたら、そのノートの絵も手がたくさんあるように見えてこない?』

「確かに…」

『たくさん手があったら、ボールがいくつ打ち込まれてもキャッチできて凄いよね!キャプテンにキーパーを任された立向居君ならきっとできるよ。頑張ってね』

「…はい!ありがとうございます!」

糸口が微かに掴めた気がした。今度こそ完成させるという意思を胸に、後半開始。雷門からのキックオフ。アフロディから受け取った豪炎寺が上がっていく。

「どうしたらムゲン･ザ･ハンドを出せるんだ…」

考える立向居。

「海は凄いぞ!弱い波でも、何度も打ち寄せるうちに岩を削って、砕いちまうのさ!」

『たくさん手があったら、ボールがいくつ打ち込まれてもキャッチできて凄いよね!』

先程の綱海と水城の言葉が脳内で再生される。それをヒントにしようとしても、やはり分からないものは分からない。「いったぞ立向居!!」考えていた故にシュートが打たれたことに気付けず、立向居は右頬にボールを受けた。