【イナズマイレブン】紺碧のイノセンス IV (ページ5)

今日:22 hit、昨日:2 hit、合計:322,872 hit

150話ページ5

『はあ…っ…っは…げほっ…!』

「ちょ、一青大丈夫かいな!?」

『だいじょうぶ…』

雷門イレブンの疲れが顕著になってきた。その中でもよく分かるのが水城。先程から威力を全く落とさずにアクアトルネードを何度も、何度も何度も打ち続けている。ぼたぼたと汗が絶え間なく流れてくるので、ついに拭うのを止めた。

「「「ガイアブレイク!!」」」

「正義の、鉄拳!」

何度目か分からないシュートを正義の鉄拳で弾く円堂。地面に膝をつき肩で息をしていた。弾かれたボールは綱海の前へ落ちる。しかし綱海の体力も残り少なく、転がるそれを目で追うことしかできない。

「サーファーを、舐めんなああああっっ!!!!」

だが声を張り上げ、本当に少ししか残っていない力を絞り出して前線にロングパスを送った。その先には塔子とリカ。バタフライドリームを打ち込むも、ワームホールでいとも簡単に地に埋まった。

「「ツインブースト!!」」

「「「ザ・フェニックス!!」」」

そしてどこにパスをするかと身構えていると、まさかの雷門イレブンに渡す。打ってこい、という意味なのか。一之瀬と鬼道がツインブーストを打つもワームホールで止められ、ゴールから上がってきた円堂、一之瀬、土門が気迫のこもったザ･フェニックスを打ち込むもやはり呆気なく足元に埋まった。必殺技が、通用しない。

「この程度か…。やはり貴様だ!貴様が打ってこい!!」

「「「「!!」」」」

何度目かのシュートを防ぎ、足元に埋まったボールを引き抜いたデザームは水城を指差す。差された本人も、雷門イレブンも愕然とした。確かに今までのシュートを振り返ると、デザームは吹雪のエターナルブリザード以外では水城のアクアトルネードにしかドリルスマッシャーを発動していない。当然といえば、当然なのか。

「一青、大丈夫か…?」

『……大丈夫』

先程よりも体力は回復し、言葉もしっかりしている。水城はこちらを差す指を見つめながら、流れる汗を一度だけ襟で拭った。