【イナズマイレブン】紺碧のイノセンス IV (ページ39)

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184話ページ39

「なんでこうなるんだ!?」

「これなら頭にパワーを集中しやすくなるだろう」

二本のタイヤに体を拘束された円堂。タイヤは部室の中から拝借してきた物だ。タイヤは一本大体15～20kgなのでそれでも立っていられる円堂は凄い。伊達にタイヤをあいつと呼び友達扱いはしていない。「えええ…」と渋る円堂だが「これでいくぞ!」と鬼道に有無を言わさず押し切られた。

「分かったよ…。今度こそ、おでこにパワーを集中だ!!」

『いくよキャプテン!』

「こい!」

タイヤに拘束された円堂に向かって水城がボールを蹴り込む。しかしタイヤの重さがプラスされ動きにくいうえにタイミングが合わなかったことで、水城の蹴ったボールは顔面にクリーンヒットし円堂は目を回してぶっ倒れた。

「ムゲン･ザ･ハンドは全てのシュートを見切る技なり。その極意!シュタタタタタン、ドババババーン!これあらば上下左右、前から後ろから、どんなシュートも防御することができる!ポイントは目と耳!」

何を言っているのか分からない。上下左右はなんとなく分かる。前も分かるが後ろってなんだ。集団リンチか、もしくはすでにゴール済みではないのかそれは。

所変わり、ゴール付近では綱海、リカ、塔子が立向居の特訓に付き合っていた。先程円堂に言われた内容を思い出しながら構える立向居。目は心の眼、耳はシュートの作り出す空気の音を聞き分ける。そう解釈し、発動させようと出現させた手は無限でもなんでもなく一つで、ボールに触れた瞬間壊れ立向居はゴールに押し込まれた。

「吹雪!お前本当に一緒にやらなくていいのか?」

「今は、見ていたいんだ」

「そっか!蹴りたくなったら言えよ!」

立向居はすぐに立ち上がり次のシュートを頼む。綱海は良いガッツだと立向居に言った後、ボールを膝に乗せベンチに座る吹雪に声をかけた。遠慮して弱々しい笑顔を見せた吹雪、それを円堂たちは見ていた。