【イナズマイレブン】紺碧のイノセンス IV (ページ23)

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168話ページ23

「エイリア学園マスターランクチーム、ダイヤモンドダストだ」

「マスターランク…!?」

「円堂、君たちに凍てつく闇の冷たさを教えてあげるよ」

「冷たいとか熱いとかなんてどうでもいい!サッカーで町や学校を壊そうなんて奴らは、俺は絶対許さない!!」

水城は不覚にも円堂の言葉に噴き出しそうになるが、円堂は大真面目に言っているので慌てて腕で口を押さえた。凄い、一刀両断だ。

「お待たせしました!エイリア学園マスターランクチームダイヤモンドダストと、雷門中の試合が今!まさに始まろうとしています!」

豪炎寺と交代で土門がベンチに下がり、リカが土門のポジションに入った。フォワードは豪炎寺と水城。火力的には十分だろう。そして毎度の如く角馬が現れる。今回のこの試合は公になっていないはずなのによく来られたな、と思う水城だった。

「さあ雷門のキックオフ!!……っえ、ええええ!!?」

ホイッスルが鳴り水城が豪炎寺にボールを送る。そして上がっていこうとした豪炎寺に合わせて角馬が実況するが、素頓狂な声を上げた。無理もない、ダイヤモンドダストの選手全員が、ゴールまでの道を開けたのだから。

「ゴ───……いや違う、止められてしまった!!」

舐められているのかと思いつつ、豪炎寺はコーナーを狙ってシュートを打ち込んだ。反応できないだろうと、決まっただろうと上げた角馬の声が途中で切れる。キーパーのベルガが素早く反応し、ボールをしっかりとキャッチしたからだ。そしてあろうことかそのまま円堂のもとまでノーバウンドでぶん投げた。肩が強い。

「ゴールからゴールに投げてくるなんて…なんて奴だ…!」

不敵に笑うベルガに驚きつつも円堂はキャッチしたボールを投げようとし、再び驚愕する。ダイヤモンドダストが、あっという間に雷門サイドに入り込んできていたからだ。

「っ鬼道!」

「一之瀬!」

円堂から鬼道へ。鬼道から一之瀬へ渡る、はずだった。素早くリオーネがカットし、奪い返そうとする一之瀬を軽々と躱(かわ)してガゼルにボールが渡ってしまう。

「びりびりくるぜ…!!」

蹴り込まれたガゼルのシュート。ノーマルシュートであるが高威力のそれは、受け止めてもゴールラインぎりぎりまで円堂を後退させた。

「…つまらん試合だ」

「どうかな?見ててよ、円堂の熱さが分かるから」

普段は人で埋め尽くされる観客席も今は南雲と基山の2人だけ。基山はどこか楽しげな眼差しで円堂を視界に捉えると目を細めた。