【イナズマイレブン】紺碧のイノセンス IV (ページ22)

今日:56 hit、昨日:13 hit、合計:323,065 hit

167話ページ22

「戻ってきたぞ─────っ!!!!」

河川敷で円堂が大きく息を吸い込み叫んだ。稲妻町に戻ってきた雷門イレブン。そして「一度家に帰るか!」と言う円堂と同調する一部。1日くらいは休んでもいいと許可を出した瞳子だったが、ここに他県のメンバーがいることも忘れてはならない。

『キャプテンキャプテン、私たちどうしよう』

「あっ皆うちに来いよ!母ちゃんの肉じゃが、最高に美味いんだぜ!!」

「俺肉じゃが大好きです!」

水城が自身を指差して、そして他県のメンバーを差していく。そこまで気が回っていなかった円堂は今思いついたように提案した。「俺は嫌ーい」と壁山の頭の上で言う木暮だが、家族についてはいろいろとあったので今回は誰も咎めなかった。ふと空を見上げた吹雪。気付いた土門がそれに倣う。

「っあれは…!!」

突如、青と黒のサッカーボールが重々しい音を立ててグラウンドに埋まった。それから聞こえるガゼルの声。一言一句聞き漏らさないよう全員が黙って耳を傾ける。

「雷門イレブンの諸君、我々ダイヤモンドダストはフットボールフロンティアスタジアムで待っている。来なければ、黒いボールを無作為にこの東京に打ち込む」

最後の言葉にざわつく雷門イレブン。そんなことをされれば、東京がめちゃくちゃになってしまう。使い捨てだったのか、青と黒のサッカーボールは光を失って灰のように崩れた。

「仕方ないわ、直ちにスタジアムに向かいます」

「「「「はいっ!!」」」」

土手に停めたイナズマキャラバンに全員が急いで乗り込むと古株は急発進させた。そして到着したフットボールフロンティアスタジアム。観客がいないここはひどく閑散としていた。

「相手はどんな連中か全く謎よ。どのような攻撃をしてくるのかも分からない。豪炎寺君、早速だけど水城さんと一緒にフォワードを任せるわ」

「はい」

「イプシロン改の試合でゴールを決めた水城さんと豪炎寺君は間違いなくマークされる。この2人にボールを回すのも大事だけど、チャンスがあればゴールを狙いなさい!」

「「「「はい!!」」」」

瞳子の指示も終わり、あとはダイヤモンドダストを待つだけ。「来いって言っときながら、奴らは来てないじゃないっスか」と壁山は相手ベンチを見て呟いた。

「この僕に恐れをなしたんでしょうよ」

目金がそう言った直後、相手ベンチのエリアが白く輝く。光が収まるとそこには、ガゼルを中心にダイヤモンドダストの11人が悠然と立っていた。