【イナズマイレブン】紺碧のイノセンス IV (ページ11)

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156話ページ11

「うおおおっ…!!正義の、鉄拳!!」

今度こそ止める、と円堂は正義の鉄拳を繰り出す。しかしザ･タワーとザ･ウォールを一瞬で破ったグングニルは全く威力を失っておらず、さらに正義の鉄拳までをも打ち砕いてしまった。

「入れさせねえ!!」

もう少しでゴールしてしまう。そんなときに綱海が飛び込んできて、胸でボールを受け止めた。それでもゴールしようと回転するボール。綱海はボールポストで自分の体を支え、なんとかゴールを守り切った。

「綱海、大丈夫か…!?」

「これくらい、どうってこと…っ皆で守って、勝とうぜ、円堂…!!」

転がったボールに覆い被さってなんとか2点目を防いだ。円堂が倒れた綱海を心配して声をかける。綱海は声を詰まらせながらも、円堂と目を合わせて笑うと返事をした。それに強く頷く円堂。

「グングニルを止めるとは…。これは潰しがいがありそうだな…!」

デザームがそう呟いたことなど雷門イレブンはつゆ知らず、試合再開。再びデザームが攻め上がってきて、止めようとする雷門イレブンをものともせずに吹き飛ばしていく。そしてあっという間にゴール前に。

「いくぞ!グングニル!!」

「正義の…鉄拳!!」

またもや正義の鉄拳を粉砕したグングニル。今度こそゴールしてしまうのか、と見ていた誰もが冷や汗を垂らす。しかし土門、木暮、鬼道、立向居が壁となりボールを弾いた。その衝撃で4人が、いや、4人ではない。雷門イレブンは全員、フィールドに倒れ立ち上がれなくなっていた。

しかもボールは運悪くデザームの方へ弾かれた。ボールを足の下に置き不敵に笑う。そんなデザームを見上げながら、円堂は必死に頭を回転させ考える。何故究極奥義の正義の鉄拳が、通用しないのか。

「こんなものではないはずだ!立て!立って、私を楽しませろ!!」

「俺はあのとき誓ったんだ…。決して、諦めないと…!!」

円堂の頭の中では陽花戸中の出来事が再生されていた。落ち込んだ自分と、自分が立ち直れるようにたくさん動き回る仲間たち。それを所々錆びたフェンスが隔てていた。

「究極奥義で、絶対止めてみせる…!!」

尋常ではない痛みに耐えながら膝に手をついて立ち上がった円堂。いつの間にか、観客席に土方と豪炎寺の姿はなかった。