132話 ページ35
「いくぞっ!一青──!!」
『任せて!』
円堂が前線の水城にボールを蹴り込んだ。上手く受け取った水城は「任せろ!」とボールを奪いにきた綱海をブレイヴエンブレムで突破する。「いいなーっ!!」と両手で頭を抱えた東江は即座に池宮城に尻を蹴られた。
「なっ、んだこりゃ!?」
『リカちゃん!』
「任しときい!」
「16ビート!!」
「あ!?」
必殺技を食らったことのなかった綱海は水球の中で驚嘆した。その間に水城はリカにボールを送るがまたもや音村。ドリブルしていたリカだったが、その指示に従った赤嶺にボールを奪われた。
「2ビート!」
「4ビート!!」
「8ビート!!!」
飛び交う音村の指示。だがその言葉を理解できるのは大海原イレブンのみで、雷門イレブンはただただ翻弄されるばかりだ。ボールが全く奪えず、試合は完全に大海原のペースである。
古謝から喜屋武へボールが渡る寸前に一之瀬が間に入り奪う。そして綱海を突破してそのまま上がろうとするも「8ビート!」音村の指示に従った東江によりボールを奪い返されてしまった。
「トゥクトゥク トゥクトゥク…」
「まさかあいつ…」
だが、そんなことが本当にできるのか…!?音村とすれ違い、水城と同じく振り返って音村を見る。そして天才ゲームメーカーは、音村の指示の意味を理解した。
「アダージョ、2ビートダウン!」
土門のキラースライドを音村の指示で
「リズムを測ってる?」
『メトロノームみたいだね』
「ああ、実際そんな感じだ。俺たちが抜こうとしたりチャージをかけようとしたその瞬間に奴はプレーのリズムを割り出し、そこから逆算して仲間に指示を出している」
ゴール前に雷門イレブンが集まり、鬼道がボールを奪えなかった理由を話しながら音村を見る。今もリズムを測っているのか頭と指を動かしていた。
「でも瞬間にって…そんなの何秒もないぞ…。一瞬でリズムなんて、本当に測れるのか…?」
「あいつにはな…恐ろしいリズム感だ。いいな皆、少しずつタイミングをずらしていくぞ」
「「「「おうっ!」」」」
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作者名：不二市
| 作成日時：2018年4月9日 0時
