【イナズマイレブン】紺碧のイノセンス III (ページ17)

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114話ページ17

「15歳か!勝気な塔子やったら歳上がええかもな!…?どうしたん皆?」

「15歳ということは…さ、3年生?」

「ん?言わなかったっけ?」

「……あ、あの、すいません!知らなかった、もの、ですから!歳上だった…でしたとは、綱海、さんが!」

部員は同級生か下級生しかおらず、敬語は基本的に大人相手にしか使う場面がなかった円堂。上級生という立場である綱海に先程の様子とは一転、下手くそな敬語で謝罪した。

『歳上相手に今までタメ口呼び捨てだったことに気付いて焦るキャプテンの図』

「いや一青はなんで驚いてないんだよ!」

『私はさっき聞いたから』

固まったのは正しくは2年勢－水城、リカ。リカは元々学年など気にしない性分で、水城はここに来るまでに教えてもらったうえに気にすんなと本人に言われていたからだ。だから特に驚いた様子もなく、他が固まる中刺身に手を伸ばしていた。

「いいっていいって!そんなもん海の広さに比べりゃちっぽけな話だ!タメ口で頼むぜ!」

「う、うん…」

「おいおいノリが悪いなー。堅苦しいのはなしでよろしく!」

「なっ!」と手を差し出し言う綱海を見て折れた円堂は「改めてよろしくな、綱海!」と笑って握り返した。再び賑やかになる民宿内。その喧騒は夜中まで続いたが、全員が倒れるように雑魚寝で眠ったことにより静かになり、その夜はふけていった。

「サッカー、か」

翌朝。雷門イレブンの乗った船が汽笛を鳴らし出航する。見送りに来ていた綱海はそれに手を振り、しばらくしてその手を下ろすとそう呟いた。