【イナズマイレブン】紺碧のイノセンス III (ページ15)

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112話ページ15

「よっ!!」

「「「うわああああっ!?!?」」」

「邪魔するぜ!」

5回叩いて、返事は待たずに扉をスライドした。雷門イレブンからは綱海の顔は魚で隠れていたため、ただの人間の体を持った魚にしか見えず主に壁山が大きな悲鳴を上げる。しかし魚を肩に担ぎ直して現れた顔に円堂は「綱海!」と驚いたように声を上げた。

「これ、食わしてやろうと思って釣ってきたぜ!」

「あ、ありがとう…」

「一青おかえりー!」

『ただいまー』

「台所と調理器具借りるぜー!」と家の奥に魚を担いで入っていった綱海。綱海の背中を全員で礼を言いながら見送るとまた各々が遊び始める。塔子に誘われてトランプをしている輪の中、塔子と円堂の間に入る水城。鬼道がカードを集めて切り直す。立向居はババを持っていたからかほっとしていた。

「ところで、なんで綱海と一緒に戻ってきたんや?あんたらまさか逢い引きでもしとったんか!?」

「展開早すぎだしいろいろとおかしいだろ」

『違うよ…。浜辺にいたら魚担いだ綱海君と会ったからここまで案内しただけ』

「なんやねんおもろないな!」

『リカちゃんは人の恋路より自分の恋路気にしようね』

「一青がめちゃくちゃ強い毒吐いた!」

一之瀬が水城の言葉に思わず声を上げた。何か刺さったかのように胸を押さえてじとりと水城を見るリカ。しかし本当に綱海とは何もないし、あったとしてもそれは恐らく兄妹的な何かだ。

「ちょ、一青…そろそろ出してくれよお」

『えーどうしようかなあ』

「パスは5回までだぞ円堂」

「うわあああ」

鬼道がカードを配り、今度は七並べをしていた。水城が円堂の手札の前でめちゃくちゃ止めるので、円堂のパス数はすでに前の周で5回に達していた。つまりもうパスはできない、したら問答無用で円堂の負けだ。負けたくない、でも出せるカードがない。

「できたぜー!!」

「あっ!あー、運ぶの手伝うぜ綱海ーっ!!」

「逃げたな」

『逃げたね』

そこに希望の光と言うべきか、あの大きな魚を捌き終えた綱海の声。台所に顔を向けると皿が大量にあったので、運ぶのを手伝うという名目で戦いから逃げた円堂。めちゃくちゃ必死だった。まあいいか、と他もカードを真ん中に集めて片付け始めた。