104話 ページ7
「豪炎寺…」
「監督が先に行って探しているんですよね?」
「そのはずだけど、まだ連絡はないわ」
太陽の光が降り注ぎ海面が青くきらきらと輝く。海風が頬を撫で、揺れる足元も心地良い。ここは船上。雷門イレブンは今沖縄に向かっている。マジン･ザ･ハンドを習得した立向居を仲間に迎え入れた後、響木から瞳子に、沖縄に炎のストライカーがいるらしいという情報を受けたのだ。
炎のストライカーと聞くと、円堂たちの頭に思い浮かんだのは1人しかいなかった。早速行こうと言った円堂に確証はないと返した瞳子だが、円堂は絶対に豪炎寺だと自信を持って言ったのだ。
「豪炎寺さんに会ったら、ファイアトルネード受けてみたいです!」
「そうか!でもあいつのシュートはそう簡単には止められないぜ?」
「本当に豪炎寺君なのかしら?」
「俺は信じたいね、奴との再会を」
「んんん!輝く太陽青い海!まるでウチら2人を祝福してるようやねダーリン!!」
「あははは…」
本当に豪炎寺なのかは分からないので意見はさまざまだが、やはりそうだと信じているメンバーが多い。豪炎寺と面識のない者も、雷門のエースストライカーと謳われる彼に会えるのかと心を躍らせていた。
『楽しみだなあ、豪炎寺君』
「お、なになに?一青も気になる感じ?」
『うん、正直すごく期待してるよ』
他のメンバーが暑さでジャージを脱ぎ腰に巻いている中、少数派である上下長袖長ズボンの水城が言うと土門が茶化す。それに頷いて微笑む水城は、期待に胸を膨らませている様子が見て取れた。
『真逆、だからかな』
「あー炎と水でか」
『そうそう。自分にはない熱さがあって、かっこいいなって。憧れなんだ、豪炎寺君』
「そういうのさらっと言えるの凄いな?」
談笑していると木暮に顔にらくがきをされた塔子が慌ててやってくる。逃げる木暮を追いかける塔子。その途中でアナウンスがかかり、全員が島を見て降りる準備に取りかかった。
「本船は次の停泊地、阿夏遠島に到着します。ご乗船、お疲れ様でした」
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作者名：不二市
| 作成日時：2018年4月9日 0時
