【イナズマイレブン】紺碧のイノセンス III (ページ4)

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101話ページ4

『どうだった?』

戻ってきた夏未にそう尋ねるも彼女のその暗い表情から想像ができてしまう。黙って首を振った夏未に眉尻を下げた。そして昼。マネージャーだけでなく選手たちもおにぎりを握りそれを秋が円堂のもとに届けるも、やはり効果はなかった。

「壁山!栗松!」

センターサークルから鬼道が声を上げたが遅く、壁山と栗松が衝突して転んだ。また一夜明けた。円堂はまだ屋上から下りてこない。雷門イレブンも練習に集中できておらず、先程からミスを連発していた。

『ねえ円堂君、皆君を待ってるよ』

その様子を、円堂の隣に立ち見ていた水城。そう円堂に言うも、返事はない。

『…理由は何にしろ、私がイナズマキャラバンに参加してから離脱してしまったのは2人目だ。でも、円堂君はもっといるもんね』

円堂がぴくりと反応する。ぼんやりと思い浮かぶのは、稲妻町に戻った際見舞いに行った半田や松野、少林寺に宍戸たちの姿。入院着に身を包んだ、仲間たちの姿。

『鬼道君から聞かせてもらったの。フットボールフロンティアのときの雷門イレブンの話。素敵な仲間だね。直接会ったことはないけれど、私はその人たちの分も勝手にだけど背負って、頑張ろうって思った』

「……」

『…仲間は、減っていくだけだった?違うよね。塔子ちゃんに吹雪君、私に木暮君が増えた。数は合ってないけれど、ちゃんと増えてる。…仲間は、まだいるよ。円堂君』

円堂が言葉を返さなくても気にせず言葉を続けた水城。言いたいことは言い終わったらしく、円堂の反応は見ずに屋上を出ていった。「まだ、いる…」円堂がそう呟いたことを、水城は知らない。

「…駄目か」

『駄目だった。円堂君、相当追い詰めてるよ』

「……円堂君?」

『…今キャプテンって呼んだら、もっと責任を感じさせてしまう気がして』

「…そうか、そうだな」

戻ってきた水城に鬼道が近付いた。そして水城が円堂のことをキャプテンではなく円堂君と呼んでいることに疑問を抱き、思わず口に出すと理由を話される。キャプテンという言葉は頼れる者の代名詞であるとともに、重くのしかかるものでもあった。それは加入前にキャプテンを務めていた水城も、鬼道もよく知っている。

「大変です!!栗松君が!!!」

そして次の日、栗松までもがイナズマキャラバンを降りた。