【イナズマイレブン】紺碧のイノセンス II (ページ44)

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91話ページ44

「どういうことなんだ…!?なんで円堂の友達がエイリア学園に…」

「円堂さん…」

「…まんまと騙されたみたいですね」

「騙された?」

円堂の友達なら、と待機していた雷門イレブン。ところが現れたのはエイリア学園、しかもジェミニストームともイプシロンとも違う別のチーム。まだ他のチームがあったのだ。全員が不安げに円堂を見るが、円堂も混乱していた。そこに目金が口を開き、春奈が鸚鵡(オウム)返しすると頷く。

「奴らの目的は友達になったふりをして円堂君を動揺させること」

「そういうことだったんですね…!?」

「宇宙人の考えそうなことですよ」

「それは違うよ」と聞いていたグランが目金の言葉を否定する。

「俺は、ただ君たちとサッカーがしたいだけ。君たちのサッカーを見せてよ」

そう言うグランの目は嘘をついているようには見えなかった。その後ろで「いいのかよ、許可もなしにこんな奴らと試合して」とハウザーが言うと「グランがやるって言うんだ、仕方ないだろ」とゲイルが返す。

「グラン?それが本当の名前なのか…。お前とは、もっと楽しいサッカーができると思っていた…。だけど、エイリア学園と分かった以上、容赦はしないぜ!」

「もちろんだよ」

そして思いもよらず、エイリア学園ザ･ジェネシスとの試合が決まってしまったのだ。

「なんか強そうな奴らだな、でも心配はいらないぜ?今日も俺がガンガン決めてやるからよ!いいな?士郎、ボール取ったらすぐ俺に渡せ。

嫌だ…!

嫌?

今日の試合は、僕がシュートを決める…!

お前が?何寝惚けたこと言ってんだ。ディフェンスのお前に、シュートが決められるかよ。分かったな?ボールはすぐに渡せ。ああいう奴らにはスピードが肝心だからな。…聞いてんのか士郎?士郎!!

来るなあっ!!!」

『吹雪君?』

「!!…一青、ちゃん?」

突然聞こえた自分たち(･･)以外の声に吹雪は反射的にそちらへ顔を向けた。そこには水城が佇んでおり、どこか気まずそうな表情で一度視線を床に落とし、そして目を合わせると口を開く。

『遅かったから迎えにきたんだけど…大丈夫?』

「うん、大丈夫…大丈夫」

『それならいいんだけど…最近調子悪そうだし、無理はしないでね』

「無理なんて、」

それ以降の言葉は続かず、それを見た水城は黙って吹雪の手を取りグラウンドへ歩きだす。ごめん、と謝られた気がした。