【イナズマイレブン】紺碧のイノセンス II (ページ29)

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77話ページ29

「勝てなかった…これだけ頑張ったのに…」

座り込んでこぼす風丸に「何言ってんだよ!俺たち奴らと引き分けたんだぜ!」と円堂が返す。そういえば前はこてんぱんにやられたな、と納得した木暮。

「あたしたち、強くなってる!」

「なんか勝てそうな気がしてきたっス!」

「俺もでヤンス!」

得点板を見れば一目瞭然だ。表情を晴れさせて嬉しそうに言う塔子、壁山、栗松。

「答えはシンプルさ。互角に戦えたのなら勝利の確率は50%」

『1%でも奪い取れば勝てるってことだね』

「そういうことだ」

鬼道と水城が会話を交わす。他にもリカがハネムーンはまだ先だと一之瀬の腕に絡み言っていたりするが、一部を除き全員の表情が明るいのは確かだ。瞳子も珍しく笑っている。

「勝つまでには至らなかったけど、一歩前進。でも気を緩めないで!」

「そうよ。試合に勝利しない限り、エイリア学園はまた現れるわ」

「よーし、次は勝つぞ!!」

「「「「おおおおっ!!」」」」

円になって、その中心に立つ円堂が拳を突き出し奮い立てた。

「僕は…どうしたら…」

同時刻。吹雪が鏡の中の自分と勢いよく手を合わせる。着実に追い込まれており、立ち込めた暗雲から雨が降るまであと少しだった。

「はーっ…。やっぱLv最大の特訓は効くなー…」

『お疲れキャプテン』

「おっ一青、ありがとな!」

そして次の日。エイリア学園の動向が分からないので、とりあえず地下で特訓に励んでいた雷門イレブン。円堂が床に倒れ込み、ちょうど休憩に入った水城がタオルを渡す。礼を言う円堂に微笑みを返した。

「飛ばしすぎじゃないのか」

「へへっ!まだイプシロンとの決着はついてないからな!奴らから雷門のゴールを守るには、俺がもっともっと強くなんなきゃ!」

飛ばし具合を心配する鬼道だが円堂はポジティブに返した。鬼道は呆れたような笑いをこぼす。

『私も、ちゃんとシュートを決められるくらい強くならなきゃ!』

「デザームに必殺技を使わせたのは一青と吹雪だけだ。自信を持て。鍛えれば一青も破れるさ」

『うん、次こそワームホールも、ドリルスマッシャーも破る!』

水城がうおおと拳を作った両手を突き上げると「その意気だ!」と円堂も同じように突き上げるので、見ていた鬼道は水城も雷門に染まってきたな、なんてしみじみと思う。円堂に「鬼道もやろうぜ!」と誘われたが丁重にお断りした。