【イナズマイレブン】紺碧のイノセンス II (ページ14)

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62話ページ14

「それにしても凄いね、君たちの練習場」

「ウチらのやないで」

「えっ!?」

一通り練習場内のマシーンを見終え、一之瀬がリカに言うとあっさりと衝撃的な返事をされる。自分たちのじゃないのにデコったのか…と頬を引き攣(つ)らせた。

「ウチらが偶然ここ見っけて、それから勝手にここ使わせてもろてんねん!」

「てことは、ここの持ち主が誰か君たちも知らないってこと?」

「さっすがダーリン、よう分かるなあ!」

いや誰でも分かる。しかしこれだけ高性能で早くレベルアップできる施設が、何故長期間放置されていたのだろう。そう思った夏未が口に出し、もしかしてエイリア学園の施設なのではないかと秋が言う。

「そないなわけないやん!ウチらずーっとここ使ってんねんで?奴らのもんやったらすぐ取り返しに来るんちゃうか?」

しかしその推測も笑い飛ばされる。確かにその可能性もある…のか?と円堂と一之瀬は顔を見合わせ苦笑いをこぼした。まあ楽観的なのはリカの良いところでもある。

「ふっ!」

所変わりフォワード用の練習場。ここには吹雪と水城がいる。水城は本来ミッドフィルダーの練習場にいるはずなのだが、行こうとしたら瞳子にフォワードの方に行けと言われたのだ。染岡が離脱したのでしばらくはポジションをフォワードに転向しておいてほしいらしい。それを了承した水城。

「ゴールしたきゃあいつをぶっ潰せってわけか…」

『えっ避けるんじゃないの?』

2人の前にはサッカーゴール。そしてゴールラインには音を立てながら左右に動く機械。手に見立てた素早く回転する棒が取り付けられており、それが吹雪のシュートを阻んだ。

『うわ、難しいしけっこう危ないなこれ』

吹雪が「やってやろうじゃねえか…!」と漫遊寺でのデザームの舐めた態度を思い出し奮起しているのを横目に、水城も試しにシュートを打ってみる。吹雪でさえ阻まれたのだ、本業ではない水城ももちろん阻まれてしまった。

そして打ち返されたボールは水城の顔の横すれすれを通過し後ろの壁にぶち当たった。風圧で水城の横髪が揺れる。機械だからか加減がない。多分あれは人が当たっても普通に吹っ飛ぶやつだ。水城の頬を冷や汗が伝った。