【イナズマイレブン】紺碧のイノセンス (ページ10)

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10話ページ10

『ただいまー』

「あっ一青ちゃんおかえり!」

小走りで戻ってきた水城と船江を迎える雷門イレブンと湊イレブン。簡単な試合をしていたようだが2人が帰ってきたことでおひらきとなった。先程と変わった点はただ一つ、水城の格好だ。

「わあ!一青ちゃんすごく似合ってるよ!!」
「わあ!一青ちゃんもこれで雷門イレブンだ!!」

『同時に言われたらちょっと何言ってるか分かんないかな…』

ジャージやユニフォーム、それら一式を貰ったことで、これで彼女も晴れて正式に雷門イレブンとなった。これからの長くなるであろう旅での彼女の活躍が楽しみだ。

「では水面監督、しばらくの間水城さんをお借りさせていただきます。もちろんサッカーができなくなるくらいにまで酷使はしませんが、少しの怪我は…」

「あーいいです、大丈夫ですよそんなに畏まらなくても。地球のために駆り出されるんですから、水城も怪我をする覚悟くらいはできているでしょう。な、水城」

『はい監督。怪我なんて慣れっこですし、地球が侵略されることに比べたら小さなことですから』

瞳子はすでに雷門イレブンが乗ったキャラバンの前で、見送りにきた湊サッカー部監督である水面に頭を下げながら挨拶する。

畏まる瞳子に、いつも気怠げな水面は慌てて頭を上げさせて、瞳子の隣にいる水城に確認した。一応一年前の同好会期からの仲なので、信頼していてこその確認である。

『じゃあ、行ってくるね』

そう言ってキャラバンに乗り込んだ水城に10人分の声援が送られた。その様子を窓越しに見ていた雷門イレブンは、男女の差を埋めて尚且つあれだけ信頼を寄せられ、応援されていることに感服するのだった。

「さて、全員乗っているわね。まだエイリア学園の襲撃予告は出ていないそうだから、今のうちに近くのコンビニでいろいろ買い足しておきましょう。水城さん、この近くにコンビニは?」

『校門を出たら右に曲がって、そこから真っ直ぐ進んでしばらくしたらありますよ』

「では古株さん、そこまでお願いします」

「あいよっ」

「皆それまで自由にしておいて」その瞳子の言葉を皮切りに車内が賑やかになる。車内に入ってからどこに座ればいいのか分からず困っていた水城だが、扉に一番近い座席の塔子が笑顔で手招きして隣に座るように言ってくれたので、窓から鬼道、塔子、水城と席が埋まる。それを見ていた秋は、座席表の塔子さんの文字の隣に一青さんと書き込んだ。