【イナズマイレブン】紺碧のイノセンス (ページ9)

今日:9 hit、昨日:34 hit、合計:677,072 hit

9話ページ9

「いってらっしゃい。…気を付けて、無理しちゃ駄目よ」

船江の手伝いもあり、水城は無事母からイナズマキャラバンに参加する許しをもらうことができた。まだ部活動の時間だったのに走って帰ってきたと水城と船江を見て驚いていたが、玄関でエイリア学園退治をしてくる、と言うと2人はまずリビングに通された。

フットボールフロンティアが世宇子を打ち破った雷門の優勝で幕を閉じた数時間後に、その雷門や強豪木戸川清修に勝利し学校を破壊したエイリア学園の存在は瞬く間に全国に知れ渡った。

水城の母も当然知っていたから、娘がエイリア学園退治をするために全国を回っているイナズマキャラバンに参加することを憂惧したが、船江が「一青にしかできない」と言うと渋々許可を出した。

「良かったな、許可が出て」

『紅二君がかっこいいこと言ってくれたおかげかもね。よし、これくらいかな』

「よせよ照れるだろ。にしても、豪炎寺君やっぱりいなかったな」

『ね』

所変わり自室。支給された鞄に歯磨きセットや下着などを袋に入れて詰めていく。最後に湊ジャージを入れてチャックを閉めた。

『奈良のテレビ局の屋上での試合以降いなかったんだよね。何かあったのかな』

「そう考えるのが妥当だよな。ま、しばらくしたら戻ってくるんじゃねーの」

『何その憶測…』

「お前が唯一尊敬してるくらいなんだからそりゃ一度は会ってみたいんだろ?なら憶測でもなんでも信じてりゃいいと思うよ。じゃ、そろそろ戻るか」

『…それもそうだね』

そして冒頭の見送りの言葉だ。母の隣ではいつもと格好が違う水城に疑問を持ったのかキゾウが吠えている。可愛らしいポメラニアンだ。水城はキゾウにも手を振って、船江と家を出た。次にこの家を見るのはきっと、エイリア学園を倒してからなのだろう。

「たまには連絡しなさいよー!」

『はーい!』

家が完全に見えなくなったところで早足で学校を目指す。次の行き先は決まっているのだろうかと考えていると船江が水城から鞄を奪った。

「ポメ子のことは俺に任せろよ」

『キゾウね』

ちなみにオスである。