【イナズマイレブン】紺碧のイノセンス (ページ13)

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13話ページ13

「なんか…のんびりしてるよな」

「襲撃予告なんてまったく気にしていない感じ」

『あの穴を見ないと襲撃予告が来た所だって分かんないね』

漫遊寺中に到着した。京の都らしい和風な造りで、道のど真ん中に大きなクレーターが不釣り合いにできている。しかしそれにはただ落下防止の柵が設けられているだけで、気にした様子の生徒は1人もいなかった。

「とにかく、サッカー部を探そうぜ!」

校門の前でいつまでも屯(たむろ)している場合ではない。円堂がそう言うと「サッカー部なら奥の道場みたいだよ」と即座に吹雪が返す。その両サイドには漫遊寺中の女子生徒がいて、なるほど、彼女たちに教えてもらったようだ。両脇に女子生徒を侍らせる吹雪、吹雪にメロメロな彼女たち、そのなんとも言い難い雰囲気に雷門イレブンは全員もれなく困惑したのだった。

「道場、道場…」

「あっあれじゃないかしら?」

歩くたびに音を立てる木の廊下を靴を脱いで進む。しばらくして角を曲がると“蹴球道場”と重厚感のある文字で書かれた看板が掛けられた道場が見え、秋が言葉を発した。

「みたいだな」

『サッカーって蹴球って書くんだ』

「蹴球は当て字で、日本国内で古来から行われてきた蹴鞠を連想して名付けられたと言われている」

『凄い、鬼道君物知りさんだ』

「それほどでもない」

「間違いない!よし、行くぞ皆あ!!」

会話を交わす鬼道と水城の間を円堂が走り抜けていった。それに数人が「おう!!」と元気よく続いていったのだが

「へあ?」

「どあ!?」

「い!」

「う!」

「え!」

「お!」

「か!」

「すまん!!」

円堂が滑って後ろの染岡がぶつかりその後ろの塔子がぶつかり、という連鎖で計8人が廊下に転がり目を回した。最後に謝ってから転んだのは風丸である。どしーんっ!と凄まじい音に転んでいないメンバーが面食らった。

『…塔子ちゃん大丈夫?怪我してない?』

「だ、大丈夫…」

最初に我に返った水城が、転んだ中で唯一の女子である塔子のもとに足元に注意しながら駆け寄る。塔子より前にいた円堂や染岡が緩衝材となって特に問題はなかったようだ。

「重い重い重い───!!!!」

それよりも問題なのは、運悪くチーム一巨体の壁山に潰されてしまった目金である。