【イナズマイレブン】紺碧のイノセンス (ページ45)

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45話ページ45

「悪いな鬼道…久しぶりだっていうのに、握手もできない…」

「…構わない…」

「おかげで目が覚めたよ…でも、嬉しかった…。一瞬でも、お前の見ている世界が見えたからな…。体…治ったら、またサッカー、一緒に、やろうぜ…」

「ああ、待ってる…」

何台もの救急車とパトカーが港に停車しサイレンを鳴らす。一番重症であろう佐久間はもちろん緊急搬送なのだが、担架に乗せられたときに意識を取り戻し、救急隊員に頼んで鬼道と話す時間をもらったのだ。

ストレッチャーに乗せられ鬼道と話す佐久間。もう試合中の鬼気迫る表情はどこにもない。握手もできずに力なく開いた手は、離さないように、失わないようにと握り締めていた強大な力がなくなった証拠だった。最後に約束を交わすと、病院へと運ばれていった。

「君は間違っている…!監督の仕事は、選手を守ることだ。それが相手チームの選手だとしても…」

「選手に起こったことは、全て私が責任を負います…!」

「本当にこれが望んだ結末なのかね…?何が君を動かしている…」

「私は勝たなければいけないんです…どんなことをしても…!」

少し離れた場所で話す響木と瞳子。今回の件はさすがに被害が大きすぎると思った響木が瞳子に問いかけるも、答えにならない答えを返す瞳子。その目はただ、一つのものをがむしゃらに目指しているように見えた。