〝名脇役″3___降谷零 (ページ47)

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#147 ページ47

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「ふっ、どうしたの、2人とも…そんな驚いた顔して」

赤井と降谷は顔を見合わせた
そしてこの時だけは同じ事を感じていただろう

『＿＿＿Aのこんな狂った笑顔を見たことない』

降「おい、A…」

赤「お前、その顔…」

目が笑っておらず、どこか遠い所を見ているようだ

パシンっと音が響く

「っ…いったぁ！いきなり何するんですか赤井さん！」

赤「すまない…蚊がいてな…」

頬を叩いたのは赤井だった。そして次の瞬間にはもうAの表情はいつもと同じで、目には光が戻っていた

「だとしてもいきなりはやめてくださいよ～！もう！傷がついたらどうしてくれるんですか…」

頬を擦りながら、冗談も言っている
先程の殺気溢れた顔が嘘のようだった

赤「降谷君…話がある」

降「奇遇ですね…今回だけは同じ事を思っていました」

何の話をしてるんだ？とAの顔に？が浮かんでいる

＊

赤「降谷君、昼間のAの事だが…」

降「えぇ、僕もその事を聞こうかと。貴方は見たことあるんですか？その…Aのあの顔…」

赤「いや…だが昔、あれに近い表情は見たことある。Aの家族の事件は知っているか？」

降「なんとなくは…」

赤「出来れば本人の口から話すまで待っているつもりだったが…君には話しておくべきだろう。あいつの両親はFBIで、あの組織の事を追っていた。」

降「あの組織ってまさか…」

赤「あぁ、君達が潜入している組織だ。そして何らかの情報を掴み、それが奴らにバレて口を封じさせられた…その事件に主に関わった人物が君もよく知っている、ジン。」

降「そんな…」

赤「この事が分かったのも最近でな…俺もつい最近Aから聞いたんだ」

降「そうだったんですか…」

赤「昔のAは、今みたいにあれだけ楽しそうに笑うやつじゃなかった。出会った頃は無愛想で無口、ただ復讐をするために生きているようなものだった」

ふぅーっと煙草をふかしながら昔の事を思い出し、懐かしむよう笑みを浮かべる
降谷は怪訝な顔をしながらも赤井の話を真剣に聞いている

赤「だけど、会う度に今のような、心の底から笑えるようになっていたんだ。…それは、君という存在に出逢えたからじゃないか？」

降「僕、ですか…？」