〝名脇役″3___降谷零 (ページ46)

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「全く、顔を合わせたらこれなんだから…赤井さんも降谷を煽らない！降谷も噛みつかない！そんな暇があるならその賢い頭で作戦でも考えてください！分かりました！？」

降「あ、あぁ…」

赤「ほぉ…言うようになったなA」

「誰のせいだと…ほら、さっさと行きますよ！」

皆が会議室を出ていった後で良かった…
こんな見苦しい姿を世界に晒すわけにいかない

仲良くしろとは言わないが、いい加減協力してくれないだろうか
この2人が組んだら最強になると思うんだけど

また言い合いにならないように、私を間に挟んで廊下を歩く。他の人から見たら唯ならない雰囲気が漂って、異様な光景だろう

ブーブーとスマホが振動したので見てみると、ディスプレイには哀ちゃん♡と表示されていた

「ちょっと出てきます…喧嘩しないでくださいよ！絶対！」

2人にするのは危険な気もするが、哀ちゃんが電話をかけてくるなんて滅多にない

「もしもし、哀ちゃん？」

哀「あ、Aさん！突然ごめんなさい。お仕事中だったかしら？」

「今ひと段落ついたところだから大丈夫だよ。それよりどうしたの？哀ちゃんから電話くれるなんて珍しいわね」

哀「実はね、APTX4869の解毒薬がもうすぐ完成しそうなの。まだ実験途中なんだけど…」

「っ！こっちも動き出したか…」

哀「何か言った？」

「いや、こっちのこと！じゃあ哀ちゃん、また何か新しい事があったら教えてね。くれぐれも無理はしないように」

まさかこのタイミングでAPTXの報告を聞けるとは…バラバラだったパズルがゆっくりと、でも確実に完成に近づいているみたい

哀「Aさんこそ。工藤君が心配してたわよ？この前貴方を見かけた時、凄く怖い顔をしてたって」

「えっ、そうなの？まぁ私は大丈夫だから。それじゃあね。」

私そんな怖い顔してたかなぁ…
大事の前だから気合が入ってたのかも、なんて。
だけどこれから事が終わるまで登庁は極力避けないと…捜査会議の方も早く纏めて何時でも動けるようにしなければ

やっと、やっとこの時が来たんだ…絶対にアイツらを狩り尽くしてやる
スタスタと歩きながら、こみ上げてくるゾクゾク感と共に自然と口角が上がるのがわかる

降「あぁ、A…？」

赤「っ！」