〝名脇役″3___降谷零 (ページ41)

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泊まる、といっても当たり前だが同じベッドを2人で共有する訳では無い。
前はAが酔っ払っており、成行きで添い寝という形になったのだからあれは事故だ

Aには申し訳ないが、ありがとう幽霊と言いたい
ただ、大変なのは俺の理性が持つかどうかということだ
今だって風呂から上がり、幸せそうにアイスを食べている姿は可愛くて仕方ない
あぁ、服はロッカーに置こうと持って行っていたものがあったらしい
だから彼シャツのようなシチュエーションにはならなかった…

そもそも彼じゃないか…おっと、いかんいかん
こんなことを考えるなんて本当に変態かよ俺…

＊

「ふわぁ～…明日の朝はジンと任務か…」

欠伸をしながら気だるげそうにするA

降「じゃあそろそろ寝るか…」

「だね。ヘマするわけにいかないし」

Aはやたらジンとの任務を嫌っている。
そりゃあ犯罪者と一緒に仕事をするということは精神が削れるが、特にジンは冷徹残酷で人を殺める事に対してなんの抵抗もなく、その上無口だから何を考えてるのかさっぱり分からない
だが、それ以外にも本能がジンとの任務を拒否しているらしい

降「A、ベッド使ってくれていいぞ」

「は！？そんなわけにはいかない！？私なんか床で十分だよ！」

ソファでもなく、床なのか…
さすがにソファはあっても床はないだろ。それにそんな所で寝かすわけがない

降「何言ってんだ…お前を床なんかで寝かせるわけないだろう…」

「だって私が無理矢理泊まらせてって言ったわけだし！」

はぁ…こうやってても埒が明かないか。何を言ってもAは床で寝るって言うだろうし…

降「じゃあ分かった。俺も床で寝るからそれでいいか？」

「いいわけないよ！降谷の家だし、降谷は私の比じゃないくらい疲れてるんだからちゃんと休まないと！」

いや…好きな奴と一緒に過ごせて疲れるわけがないし、寧ろ疲れなんか吹っ飛ぶんだけど

降「あ…Aの背後に居るのってもしかして…」

「え！！！やだやだやだやだ！！！」

少しからかっただけなのに、ここまでわかりやすく反応してくれるとは

降「な？2人でここで寝た方が少しは怖さがマシになるんじゃないか？」

「くぅ…そこまで言うなら…」