〝名脇役″3___降谷零 (ページ40)

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#140 ページ40

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降谷side

俺は今、試されている…のか？

数分前、Aの叫び声が聞こえ何事かと思い飛んでいくと、いきなり抱きつかれる

あぁ…そういうことか。
テレビの方を見るとAの苦手なホラー映画がかかっていて、幽霊が映っていた

チャンネルを変えるから離れてくれと言うが、抱きついたまま変えろ、なんて無茶な事を言われる
俺的にこの状況はウェルカムだが、このままだと流石に理性を保てない

やっとCMに入り離れてくれたが、部屋に一人でいるのは怖いらしく俺についてくる
こんな姿は部下の前では絶対に見せないだろう
あーやばい、普段あれだけしっかりしていて強いのに幽霊が苦手とか本当ギャップ萌えすぎる…

そして時計をチェックした後、『う～ん…』とか『どうしよう…でもやっぱなぁ…』と腕を組みブツブツ独り言を言っている

暫く悩んだ後、何かを決意したように顔を上げ、こっちに来る

そして＿＿きゅっと俺の服を掴み、上目遣いをしながら

「今夜泊まっていってもいいですか…？」

と聞いてきたのだ。

…いやいやいやいやちょっと待て。今何といった？泊まっていってもいいかだと…？誘っているのか…？というか何故敬語を使ってるんだ？

思考回路が停止寸前だ。

普段、仕事のために女性に近づくと、すぐその気になりわざとらしく上目遣いやボディタッチをしてくる女は何人もいる
しかしAは全部無意識でやっているのだ
きっと上目遣いをしているという事も本人は気づいていない

どうしよう、もうこのまま押し倒してしまおうか…

一旦落ち着け降谷零、とりあえずどう返すか考えろ
だが流石に恋人でもない男の家に泊まるというのはまずいんじゃないだろうか…？Aは気にしないかもしれないが俺が気にする

悶々と心の中で闘っていると

『やっぱ、ダメだよね…』

と眉を下げて笑う
その姿はまるで捨てられた子犬のようで。

「いや、全然いいぞ」

そんな顔をされて断れる奴がどこにいるんだ
即答でOKを出してしまったじゃないか…