〝名脇役″3___降谷零 (ページ37)

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ミーンミンミンミンと蝉が鳴き出した
そう、夏がやってきた
昼間公園で遊んでいる皆を見てどうしたのかと聞けば、夏休みに入ったらしい

公安は相変わらず忙しく、やってもやっても終わらない書類整理や莫大な事件を抱えている
組織の方の任務は少し落ち着いているが、それでも急に呼び出されたり何かとある
誰か、私にも夏休みをくれないかなぁ…

休暇をもらったところで何をするという訳でもないが、この暑い中仕事やる気マンにはなれる人はいないだろう

「降谷、これチェックしたら判子お願い。それで多分仕上がるから」

降「了解…なんだ？俺の顔に何かついてるか？」

「へ？いや、なんでもない！」

しまった、無意識のうちに見すぎてたか…
仕事中に気を抜くなって思われるかもしれないが、今日の分の仕事はさっきの書類で終了だ
降谷の顔を見てても何も問題ない…いや、あるか

ちなみに、ポアロでの歩美ちゃんの発言を深く追求されなかったのはありがたい
つまりあの後もこの関係が変わっていないということだ

それにしても本当暑い、冷房全然効いてないだろ…そりゃ男ばかりの公安で涼しい～ってなるのも怖いけどさ

椅子に持たれかけてクルクルとペンを回し、今日の夕飯どうしよう～家に何かあったっけな…ビールは冷えてあると思うけどな～とぼーっとしながら考える

作るといっても料理なんてできないからレトルトだし、コンビニ食だと降谷にバレたらまた健康に悪いとか言われるからなぁ
赤井さんのところにでも行ってご馳走してもらおうか

降「A、今日飯どうするんだ？」

「あー赤井さんの所でも行って食べてこようかな…」

降「今、赤井とか聞こえたが…」

は！！！やらかした！！！考えてたことが口からそのまま出てしまってた！！しかも降谷の前でよりによって赤井さんの名前出しちゃったし！！最悪だ…

「な、なんて冗談冗談～」

きっと私は引きつった笑みを浮かべていることに違いない

降「来い…赤井よりも美味い飯を作ってやる」

「お、おう…」

そこまで張り合うのか、まぁ負けたくないという気持ちは分からなくもないけど…
降谷の手料理を食べられるなら結果オーライだ