〝名脇役″3___降谷零 (ページ30)

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#130 ページ30

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私はまたあの倉庫内に連れていかれ、柱に繋がれて動けなくなってしまった
ここまでする必要は無いだろ…手足を縛られているので身動きが取れず、かなりやばい状況だ

『貴方がいけないんですよ、暴れるから…』

手のかかる奴だという風に腰に手を当て、やれやれとする
くっっそ腹立つ！！こんな奴のどこがいいのか分からないわ！！

『あぁ、引きちぎろうとしても無駄ですよ。無駄な体力を使うだけです。それに…もしここで貴方が逃げたら、あの子供達がどうなるかくらい、賢い貴方なら分かるはずだ』

「本当にクズ野郎ね。」

確かに、縄は解くのが難しいし、逃げれたとしてもあの子達がどうなるか分からない
ここの倉庫も鍵がかかっていて公安が来たとしてもすぐに突入出来るかどうか…
ほんとに私ってついてるんだかついてないんだか…

『それに…商品に不良が無いか確かめる必要がありますからね。…そんな可愛い顔で睨んでもなんの効果もありませんよ。』

そうして山下はそっと私の頬に手を添える
その瞬間、ゾワッと全身に鳥肌が立つ
足に力を入れ、蹴ろうとするが簡単に止められる

『さて…』

ブラウスに手をかけられ、あぁ、私はここで終わるのか…なんて考えが頭をよぎる
どうしてこんな時に思い出す、あいつの笑顔を。
何やってんだよ、守ってくれるって言ったくせに、いつも助けてくれてたくせに…
どうして今日に限っていないんだよ…

あいつの…降谷の…

「降谷の馬鹿野郎ー！！！」

そう叫んだ時、ドンッという音とともに私の前にいた山下がいなくなった

降「はぁっ…馬鹿野郎で悪かったな。」

「っ！降谷！」

山下を投げ飛ばした奴は、私が1番聞きたかった声、1番会いたかった人、降谷だった

「どうやって…ここに？」

降「あの少年だよ。ほら」

見せてくれたのは追跡メガネだった
そうか、探偵団バッジか…

「ここ入るの、鍵がかかってたでしょ？」

降「鍵？あぁ、壊した。外にいた奴らも全員取り押さえたぞ」

壊したって真顔で言うところがもう流石すぎだわ

『う、うわぁぁぁ！！』

「っ！降谷！」

どこに忍ばせていたのか、拳銃を向けてこっちに走ってくる

降「問題ない」

あ、目が本気モードだ
降谷が本気になったらタダじゃ済まないので、一応心の中でご愁傷様と唱えておく