〝名脇役″3___降谷零 (ページ24)

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さっきは本当にびっくりした
周りに人がいなくて良かったとつくづく思う

あれから大分経つのにまだ心臓がバクバクなってる
最近、なんだか自分がおかしい
何でもないことであいつを見るとドキッとする事があるし…
やっぱり私も疲れてるのかな…トレーニング量も増やしたし、体にガタがきてるのかも、なんて自分で思っといて少し悲しくなる

仕事も終わったし、コーヒーでも買って帰ろうと廊下を出る

「カフェオレは…っと」

ガタンと自販機から出てきたカフェオレを取り出し顔を上げると、降谷がいた

「も、もう大丈夫なの？」

降「あぁ、すまない、迷惑かけた。」

さっきのこともあり、何となく気まずい雰囲気が漂う

＊

私はカフェオレ、降谷は安定のブラックコーヒーを飲みながら椅子に腰掛ける

「あのさ…一応言っとくけど、付き合ってないからね」

降「え？」

ポカンとしながらこっちを見て、持っていたコーヒーを落としそうになる

「ちょっと、本当に大丈夫？もっと休んだ方がいいんじゃない？」

降「あの幼馴染と付き合ってないのか？」

と今度は少し食い気味に言ってくる

なんだ、そんなことか

「う、うん…」

私がそう言うと、何やら顔を隠して

降「へぇ～、そっか…」

などと呟いている。少し嬉しそうなのは気のせいだろうか

「ねぇ、もう休んだ方がいいよ」

降「いや、なんか今凄いやる気出た。」

えぇ…今どこでやる気出る場面あったの！？
私の疑問とは裏腹に、さっきの疲れた感じはどこに行ったのかというくらいシャキッとしている降谷

降「A、送って行くよ」

「いやいやいいよ！私今日バイクで来てるし、置いていったら明日来れないじゃん」

降「いいじゃないか、どうせ明日も登庁だろ？迎えに行く」

「流石に悪いって！」

降「俺がいいって言ってるからいいだろ。それとも、俺の車に乗りたくないのか？」

「アー、ジャアオネガイシマス」

有無を言わさぬ笑顔を向けてくるんだ、断れるわけないだろ！

まぁ、降谷が元気になったみたいなので結果オーライなのかもしれない