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Aside
次の日。
学校…行きたくない。
さゆりちゃんは、同じクラスで同じ班。
傷つけちゃったのにどんな顔をすればいいの。
でも、学校をそんな理由で休めるわけない。
休もうとするなら、お母さんたちからものすごく怒られちゃう。
だから、行かなきゃ。
いつもと同じ、車に乗って学校まで行く。
『…わたし、いつまで車で学校いくの?』
運転手『ずっとでございますよ。A様が登下校中にお怪我でもされたら大変でございましょう』
いみがわからなかった。
A様なんてよばれたくない。
家に、何人ものお手伝いさんなんていらない。
___わたしは、まわりのみんなみたいに楽しい家族でいられればそれでいいよ。
けど、そんなのできない。
運転手『それでは、いってらっしゃいませ』
『……うん。いってきます』
わたしは、知らない人に『いってきます』なんて言いたくないよ。
お父さんとお母さんに、『ただいま』と『おかえり』が言えればいいのに。
ーーー
ガラ…
気持ちはしずんだまま、教室のドアを開けた。
女1『あ、きたー』
あまりしゃべったことのない女の子たちが近寄ってきて、こわい顔でわたしを見た。
女2『おはよーAちゃん?』
こわい。
『お、おはよ……』
女3『え?聞こえないんだけど。っていうかさ、今日も車で送ってもらってたねー?』
『え、う、うん』
なんで知ってるの?なんて、こわくて言えなかった。
女1『お金持ちはなんでもしてもらえていいね』
『っえ…?』
女3『どうせお手伝いさんにぜーんぶしてもらってるんでしょ』
女2『うちのお母さん言ってたよ。あんなんじゃろくな子に育たないって』
『そ、そんなことな…』
女1『ちがうって言えるの?
_____さゆりちゃんとの約束やぶったくせに』
『っ!?』
この子たちがなんで知ってるの?
まさか、…………さゆりちゃんが…?
そう思って、さゆりちゃんを見た。
さゆり『…わたし、ずっと待ってたんだよ。Aちゃんは絶対来るって思ったから。
__信じてたわたしがおかしかったんだね』
『ごめんね…っ』
女3『は?今さら?』
『え…っ』
女2『今さら謝られても、許さないってよ。ねえさゆりちゃん?』
さゆり『うん。もう、Aちゃんとはお友達じゃないから』
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作者名:イチゴ・チョコレート | 作成日時:2017年1月15日 14時