一匹狼。2 【Shota.W】 (ページ33)

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朱里｢え、渡辺くんその人と話してたの!? ｣

放課後。

テスト前だから部活がない朱里と一緒に帰る途中、

私は今日のことを朱里に相談してみた。

｢え、うん。朱里その先輩知ってるの？｣

朱里｢いや逆になんでAは知らないの！

超可愛いって有名じゃん！｣

｢ウソ、初めて見たけど｣

朱里｢えぇー…… ｣

帰宅部だとそういうのに疎くなっちゃうんだよね。

全然知らなかったもん。

朱里｢そんな可愛い先輩と渡辺くんがね～…。

で、Aはそれ見てモヤモヤしてると｣

｢なんか…なんなんだろ、勝手にモヤモヤしてるの｣

朱里｢それはさ、

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渡辺くんのことが好き、っていう証じゃない？｣

｢え、｣

朱里｢嫉妬と一緒だよ、たぶん。

いつもと違う渡辺くん見て、嫌だったんでしょ？｣

｢う、うん… ｣

ならそうだよ、と朱里は至極真面目な顔で言う。

そんなわけ、って思うけど……

｢好き…なのかなあ｣

朱里｢じゃあ仮にさ、

松村くんがその先輩と仲良さげに話してるとする。

Aはそれ見て、どう思う？｣

急に出てきた松村くんの存在に驚きながらも、

その場面を想像する。(かなりしやすかった)

でも、

｢どうもなにも、松村くんはモテるなぁって｣

朱里｢モヤモヤする？｣

｢ ………しない｣

モテる人は大変だなーって思うくらいだ。

朱里｢つまり渡辺くんにだけモヤモヤするって事！

A、この意味わかるよね！？｣

｢わか、ります、はい… ｣

こう言われたら、納得せざるを得ない。

ただ単にお化け屋敷でのこともあって、

変に意識してるだけなんだと思ってたから。

…ううん、

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そう言い聞かせてただけなのかも。

朱里｢気持ち自覚すると、ちょっと楽でしょ？｣

｢あ、…たしかに｣

モヤモヤの正体がわかって、ちょっとすっきり。

でも……これからどうしたらいいんだろう。