一匹狼。2 【Shota.W】 (ページ21)

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A side

私は今、高校生活の中で最大とも言える疑問を
感じている。

( え、渡辺くんってこんな感じだったっけ…!? )

2人で入ったお化け屋敷。

入口からもう怖かったのに、

中の迷路も複雑で何回も行き止まりになったし、

その度になんか仕掛けはくるし。

入ると言った割に怖がってる私は、
かなり迷惑かけてると思う。

しかも渡辺くんは、そんなに怖がってない。

でもなんか……彼がいつもと違うのだ。

( えぇ～…これどうしよう、緊張する…)

さっきから渡辺くんが、私の手首を握ってる。

今までの人生でこんなことされたの、幼稚園ぶり。

しかも相手は年下のラウール。

緊張なんて全然しなかったんたけど…。

まさかこんなことされるなんて思わなかった。

昨日の寝言事件もあるし、今日はこれだし……。

全然、嫌とかではない。

ただ緊張がすごい。心臓がバクバクいってる。

怖いのももちろんあるんだけど、

なんかもう手首に意識が集中しちゃう。

渡辺｢あ、お札置くとこあった｣

｢ …あ、｣

深澤くんに渡され、

あまりの怖さにぐしゃぐしゃになったお札。

危うく存在忘れかけてた。

すぐに置いて、隣にある出口から廊下に出る。

渡辺｢はあ…っ｣

｢怖かった～……… ｣

廊下の明るさが落ち着く…。

もう二度と入らないようにしよう。

そう心に誓っていると。

佐久間｢おっ2人ともおかえりー！

どうだった？楽しかった？｣

近くで売り込みをしていた佐久間くんが、

ニッコニコの笑顔でこっちへ走ってきた。

渡辺｢質問間違えてる｣

｢ほんと、怖かった… ｣

佐久間｢それはなによりであります！｣

いや全然、なによりじゃないって…！

そう思いながら、

教室の中から聞こえる悲鳴にまたビビっていた。

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阿部｢いや～佐久間呼び込みナイス｣

岩本｢俺おどかしたんだけどさ、

カップルなんじゃねえかってくらい進展してた｣

深澤｢なにもうデキてんの？笑｣