一匹狼。2 【Shota.W】 (ページ20)

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渡辺 side

佐久間に連れてこられたお化け屋敷。

見た目もかなり怖いし、

クオリティ高いって樹も言ってたやつだわ…。

もちろん最初は、嫌だって思ったけど。

岩本｢ここで男見せて、ちょっとは進展させろ｣

って照から言われて……。

…っていうか、照に言われたくなかったけど。

でも確かに、こんなのでビビってたらダサい。

ただでさえ俺勉強教えてもらいっぱなしだし、

執事するのもめっちゃ応援してもらったし…。

｢ …若林さんってさ、｣

A ｢ …っなに？｣

｢お化け屋敷とか、苦手？｣

そう聞くと、若林さんはめっちゃ頷いた。

やっぱ、女の子は怖いよね。

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｢ ……っ怖かったら、服、つかんでて｣

＿＿＿＿＿＿『男見せろよ』。

たしかに照には言われたくないけど、

まあ…言ってることは事実だし。

すると、曲がり角からお化け役が出てきて。

お化け｢うわぁぁあ！！｣

A ｢きゃぁぁぁっ！｣

若林さんはめちゃくちゃびっくりしたみたいで、

俺の背中に隠れて『無理無理…！』って言ってる。

｢ ……っ/// ｣

いや、服つかんでとは言ったけど……

これはだいぶ、予想外でしょ…。

俺もめちゃくちゃびっくりしたし、

なんなら腰抜けそうになったけど、

｢ …、大丈夫？前、進んでいい？｣

ここで見せなきゃ、男じゃないでしょ。

A ｢っだ、大丈夫……ごめんね｣

｢いや全然！…てかめっちゃお札ぐしゃぐしゃ笑｣

A ｢やっちゃった…笑｣

あ、笑ってくれた。

｢じゃあ、いこう｣

それがなんか嬉しくて、

俺はもうなるようになれ、なんて思って、

若林さんの、細い手首をそっとつかんだ。

A ｢渡辺くん怖くないの？｣

｢ ………普通、かな｣

めちゃくちゃ頑張ってついた嘘。

めちゃくちゃ頑張って握った手首。

( 俺、男見せれてるかな )

今、やばいくらいににやけてると思う。