一匹狼。2 【Shota.W】 (ページ13)

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渡辺side

突然クラスに入ってきた可愛い男の子は、

｢ぇ、｣

？｢だーれだっ｣

慣れてるかのように若林さんにバックハグ。

めちゃくちゃ驚いた。

だって若林さんは、あんまり男子と絡まないから。

それに、

目隠しされてる若林さんはわかんないだろうけど、

周りの女子心臓ぶち抜かれたみたいな顔してたし。

そんな視線に気がついたのか、

無事名前を当ててもらった『ラウール』という子は

？｢あ、すみません！僕、ラウールっていいます。

Aちゃんにちっちゃい頃仲良くしてもらってて｣

そう俺らに自己紹介した。

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＿＿＿＿＿『 Aちゃん』。

当たり前かのように呼んだ若林さんの下の名前。

俺は全然、呼べないのに。

しかもこの制服は、東高。

俺より比べ物にならないくらいの天才で。

身長も、俺の一個下なのに全然高いし。

ハーフみたいな整った顔も、高身長も、頭脳も。

…全部、俺の持ってないものだらけ。

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ちょっと、もやっとする。

ラウール｢あ、そうだ。

Aちゃん俺ね、人探してるんだ｣

頼んだジュースを涼太が持ってきたところで、

ラウールくんはそう言った。

A ｢え、この学校？｣

ラウール｢うん、こーじくんっていうんだけど。

1年の、向井康二くん｣

｢康二？｣

その名前を聞いて、思わず声を出していた。

1年の向井康二は、1人しかいない。

めちゃくちゃ明るい関西人の、あいつしか。

ラウール｢えっ知ってるんですか？｣

｢あぁ、…うん。俺の、部活の後輩｣

ラウール｢えっそうなんですか！

どこにいるかとかわかったりしますか…？｣

｢康二のクラスは…ミニクレープ売ってる｣

『映え間違いなしなんで来てください！』

って言ってたな、たしか。

ラウール｢そうなんだ、後で行きます！

ありがとうございました！｣

｢あ、うん｣

すると、

田中｢翔太が連れてけば？今人足りてるし｣

そんな樹の声で、思わず固まった。