一匹狼。2 【Shota.W】 (ページ11)

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何事も無かったかのように渡辺くんが起きてから

30分程が経った。

朱里｢ A？Aー！｣

｢ん、!?え、なに!? ｣

朱里｢さっきからどうしたの？具合悪い？｣

｢あ、違う違う！ちょっと、考え事！｣

よかったー、と言って朱里が離れていく。

…言えない。

渡辺｢若林さん｣

｢っは、はい!? ｣

渡辺｢これ、４番テーブルだって｣

｢わ、わかった！いってきます！｣

…言えるわけない。

( あーもうなんでドキドキしてんの！！)

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＿＿＿＿＿『好き』。

あの寝言が、どうしても頭から抜けないなんて。

そしてそれをいちいち、気にしてしまう。

｢あ～～だめだだめだ…… ｣

でも絶対、他のなにかと間違えてるだけ。

気にしてる方がバカみたいだよ、うん。

そう気を取り直して仕事をする。

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そろそろお昼どきも終わり、

ぼちぼちお客さんも減ってきた頃。

｢そこそこ来てくれたなぁ～｣

テーブルを拭きながら嬉しく思っていると、

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？｢だーれだっ｣

｢、え、ちょ!? ｣

可愛らしい声と共に、目の前が真っ暗に。

背中に軽くのしかかる体重からして、

たぶん目隠しをされてる。

｢え、誰？え？知り合い？｣

しかも、今の『だーれだっ』っていう声にも、

思い当たるところがない。

女子の声ではなかった。

でも、この学校にいる男友達は少ない。

まして、こんなに親密な仲の男子はさらに。

？｢え、ほんとにわかんない？

シンプルに悲しいんだけど… ｣

…あれ、今の………聞き覚えあるような…。

｢ ………ちょっと待って。

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……ラウ？｣

？｢せいかーーい！よかったぁ、覚えてくれてた！｣

パッと手が離され、視界が明るくなる。

そして私にバックハグ状態だった彼を振り返った。

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ラウール｢久しぶり、Aちゃん！｣