一匹狼。2 【Shota.W】 (ページ27)

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A side

｢じゃあ、頑張りましょう！｣

渡辺｢よろしく、お願いします｣

早いもので、期末考査まであと2週間を切った。

今日から渡辺くんとの勉強会がスタート。

でもまだバスケ部の方は試験休みに入ってない。

｢頑張って大会出場しないとね｣

渡辺｢ …まさかここまでやられるとは思わなかった｣

なんとバスケ部の顧問の先生が、

『成績悪いやつは部活に出さない』

という報告を部員全員にしたらしいんだ。

そもそもなんでかっていうと、

うちは中間と期末の結果の平均が悪いと補講。

しかもそれは夏休みの夏季講座中に行う。

そしてそれを受けることになってしまうと、

バスケ部は日程の被ってる大会には出られないと。

これはなんとしても、赤点回避だ。

｢でも渡辺くん中間よかったから、

期末も同じように頑張れば絶対大丈夫！｣

でも、彼の中間考査の順位は凄まじく上がってて。

担任と顧問に、

本当に不正はしていないのかと尋ねられてたほど。

だから私はそんなに危機感は持っていない。

渡辺｢ …頑張る｣

こうして私たちの勉強会は、前よりも早めに
始まったのだった。

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岩本 side

佐久間『ねー照、三角関数ってなに？』

｢はあ！？そこからかよ｣

深澤｢これ佐久間補講確定だろ笑｣

佐久間『えー！！！待って待って大会には出る！』

今日の部活は終了。

でも今日から補講危ない組は自宅勉強になった。

その危ない組とは、佐久間と翔太と目黒と康二。

佐久間は家で、翔太は若林さんと居残ってて、

目黒と康二は目黒の家で教えあってるらしい。

でも、このメンバーが補講になると試合はキツい。

だから顧問もちょっと必死なわけで。

しかも佐久間がこの有様。

数IIの試験範囲まるごとわかってないかもしれない。

｢俺も教える余裕はねえよ｣

危ない組ではないものの、

阿部みたいに授業ちょっと寝ても追いつけるくらい
の頭は持ってない。

『まじで助けて』という佐久間のラインに慌てて
電話したけどさ…笑