一 匹 狼。【Shota.W】

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次の日から通常授業でなんだかつまらない。






宮舘くんは頭がいいだけあって集中してるし、


渡辺くんに関しては相変わらず寝っぱなし。







そういえば、

昨日貼り付けておいた付箋なくなってたけど…読んでくれたかな。





そんなことを考えながら、

黒板に書かれたことをノートにまとめていく。





この先生の授業は、

要点を黒板に走り書きするだけでノートをとるかどうかは生徒次第っていうスタンス。


のくせにテストは難しいから、ちゃんと聞いておかないと意外とやばいのだ。





ひと段落ついてシャーペンを置いたとき。


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渡辺｢ねぇ｣





後ろからシャーペンで背中をつつかれた。

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間違いなく、渡辺くん。


めちゃくちゃビックリして振り向くと、





完全に寝起きですって顔と目が合った。




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渡辺｢……あれ、なんて書いてあんの｣





彼が『あれ』とシャーペンでさしながら聞いてくるところは、たしかにわかりづらい字のところで。





走り書きだからたまーに

読み取れない字があるんだよね、この先生。




話を聞いてればそこを見なくてもノートはまとめられるけど…



さっきまでこの人寝てたから…笑







｢えっと…はい｣


意外と長文のところを聞かれたから、

もうノートごと渡した。





ここだよ、と教えてから前を向く。





ちょっと愛想悪かったかな、

なんて反省してもう一度振り返ると、









渡辺｢…すげぇ｣



彼はもうパッチリ目を開いて、


私のノートを見ながら自分のノートを字で埋めつくしていっていた。








その字をちらりと見た限り、



彼も、お世辞にも字が上手いとは言いがたいようだ。

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