一 匹 狼。【Shota.W】

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岩本side






佐久間 ｢あーーもう授業だるいー｣





｢今日は疲れてるな、さすがに｣






土日の試合は無事に勝ち、



この調子でいけば夏の大会のシード権はとれそう。






まあそこそこに疲れた俺らは、

朝っぱらから授業寝まくって怒られた。笑









特に佐久間。




｢お前さー、寝すぎだよ。


いくら塚ちゃん先生でも怒られるって｣






塚ちゃん先生っていうのは、


保健体育の塚田僚一先生のこと。





今日の1限目は保健。




こないだ中間終わったばっかだってのに

もうあと1ヶ月で期末だからって、



いつもはおふざけ95%の塚ちゃん先生の授業が




急に真面目に変わってしまった。








佐久間 ｢いやぁー今日は真面目に授業してたから眠かったんだって｣




阿部 ｢いや普通は真面目にやるもんだから笑｣









情報部の阿部は毎日早寝早起きで授業は寝ない。




テスト勉強で困ったときの最終兵器だ。





…主に佐久間の。笑









佐久間 ｢うあ〜…一昨日のはちみつレモン食いてえ｣




阿部 ｢はちみつレモン？｣





｢ああ、一昨日の大会で若林さんが持ってきてくれたんだよ。


めっちゃ美味かった｣








阿部 ｢え、応援行ってたんだ｣



｢あー…翔太が、テスト勉強のお礼に誘ったんだよ｣








言ってもいいか若干迷ったけど、阿部だしいっか。




阿部も中学の頃から翔太のこと知ってるしな。








阿部 ｢えっあの翔太が？｣



｢だろ？俺も思った｣






阿部 ｢えーめっちゃ意外じゃん。


翔太、女の子と絡むこと全然なかったのにね｣




佐久間 ｢でもめっちゃ可愛かったよ｣





｢あ、お前、若林さん見るなりすげぇ声出したのなんだったの笑｣






あんときの若林さんの顔は忘れられない。









『この人知り合いだっけ』って顔してたからね？笑








佐久間 ｢いやー、あれが翔太のラインの！って思ったらもう声が先に出てた｣





阿部 ｢迷惑だな。笑｣









まあなんか、顧問のとこから帰ってくる途中で若林さんにちゃんと会えたって言ってたしいいか。








でもそういえば。








控え室戻ってきたときに、



なんとなくちょっと嬉しそうな顔してたのはなんだったんだろ。笑

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