一匹狼。【Shota.W】 (ページ25)

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岩本｢ちょ、佐久間やめとけ笑

ふっか、そこの救急箱取って。一応湿布貼る｣

私を見て、

『やっぱそうじゃん！』と大興奮の小柄な人をなだめた岩本くんは、

ふっか、と呼んだ人から救急箱を受け取った。

｢え、や、そんな大怪我じゃないからいいよ｣

岩本｢いや、ちょっと赤くなってっから｣

向井｢ほんまにすいません……！｣

｢いやいや！私の不注意です…｣

そんな謝りあいっこをしていると、

岩本｢はい若林さん動かないで｣

遠慮したのに、手際よく湿布を貼ってくれた。

｢ごめんね、ありがとう｣

岩本｢こんくらいいいって笑｣

深澤｢あ、てか翔太に用事だった？

あいつ今顧問のとこ行ってんだよね｣

岩本くんから、ふっかと呼ばれた人がそう言う。

｢あ、渡辺くんに用事っていうか…｣

そこで、まだ紙袋をドアノブに引っ掛けたまんまだったことを思い出した。

慌てて取りに行き、中からはちみつレモンの入ったタッパを取り出してふっかさん(？)に渡す。

深澤｢えっ俺らに？｣

｢はい！豪華なやつじゃないし、小腹満たす程度なんですけど…｣

佐久間｢うおーはちみつレモン！！俺これ超久々！｣

そんな私の話を、聞いてないと言わんばかりに文字どおり食いついた佐久間さん。

佐久間｢えっこれめっちゃうめぇ｣

深澤｢まじ？ちょ、俺も食う｣

次々にみんなが手を伸ばして、

うまいと言ってくれた。

岩本｢あーうま…｣

深澤｢五臓六腑に染み渡るーーー！！！｣←

…ふっかさんってそういうキャラなのか。笑

｢あ、私ちょっとお手洗い行ってきます｣

佐久間｢いってらっしゃい！｣

ーーー

｢渡辺くん来ないな……｣

手を洗いながら、そう呟く。

あのはちみつレモンの食いっぷりからすると、

渡辺くんが戻ってくる前になくなりそう。笑

岩本くん曰く、

何日かサボってたやつの説教されてる、らしい。

なんでサボったんだろ笑

そう思いながらトイレのドアを開け、廊下に出る。

すると、見慣れた背中が見えた。

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｢渡辺くん！！｣

渡辺｢うわぁっ！｣

…ビックリさせてしまった笑