じぇっつなかんづめ。【短編集】② (ページ9)

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瑞稀｢俺は高校に通っていないし、養成学校も男しかいなかったので、女の子のことはそんなにわからないんですが……

＿＿＿＿緊張してしまうのも、上手く話せないのも、お嬢様だけではありません｣

｢…そう、ですか？｣

私が見る限り、周りの子はすぐ友達ができて楽しそう。

今いつも一緒にいる子と仲良くなるのに私は一苦労だった。

瑞稀｢そういうふうに見えるだけです。

俺の中学の先生がよく言ってたんですが、

他人の長所は、とても優れた才能に見えるんだそうです。

お嬢様の長所は他人からすれば羨ましいほどの才能だったりすることもあるんですよ。

だから、自分だけじゃないって思えば自然と大丈夫になってくるんです｣

｢そうなんですか…！｣

言われてみれば、確かにそうかもしれない。

私は、気にしすぎなのかもしれない。

｢私、頑張ってみます！｣

瑞稀｢はい、応援しております｣

ーーー

｢瑞稀さん瑞稀さん！｣

次の日、学校から帰宅したあと真っ先に瑞稀さんの名前を呼んだ。

瑞稀｢どうされましたか!?｣

私が大声を出したせいか、何か事件が起きたみたいな顔をしている瑞稀さん。

｢ごめんなさい、早く報告しておきたくて。

＿＿＿＿友達と、上手くいけそうです！｣

そう言うと、瑞稀さんは顔をほころばせた。

瑞稀｢そうなんですか！それはよかったですね！｣

｢はい！瑞稀さんのおかげです、ありがとうございました｣

自分から積極的に話しかけてみたら、

相手の知らなかったことも知ることができて、

瑞稀さんと話したときみたいに盛り上がった。

瑞稀｢お役に立てたようで嬉しいです、俺も｣

｢あ、瑞稀さん、ちょっと目を閉じてください｣

瑞稀｢え？はい｣

実は、今日のお礼にとプレゼントを買ったんだ。

バッグの中から袋を取り出して差し出す。

｢どうぞ！｣

ゆっくり目を開いた瑞稀さんは、またたく間に顔をほころばせた。

瑞稀｢これ…っ！｣

｢昨日瑞稀さんが言ってましたよね、この歌手のアルバムがほしいって｣

今日発売で、CD屋さんは長蛇の列だった。

でも運良く私は列の最初の方に並べて、余裕でゲットできたのだ。

瑞稀｢すごい、まじで、嬉しいです…！｣

｢よかったー…｣

サプライズ、成功でした！

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～後日談

瑞稀｢お嬢様、俺、これ家宝にします｣

｢えっ聴いてくださいね!?｣