第十八話 ページ21
時は少し遡る。
Aは、肩を叩かれる感覚で目が覚める。
ゆっくりと目を開けるとそこには長谷部がいた。
A「ん？…んー。長谷部？」
長谷部「やっと、気がついたか。」
少し、不機嫌そうな顔をしている長谷部は、はぁ、とため息をついたあと、Aにかかっている鶯丸の上着を鶯丸にかける。
A「あー、なんか悪いなー。」
長谷部「別にいい、行くぞ。」
と言って、Aを引っ張りながら庭の隅に行く。
今は、秋なのか紅葉が、光に照らされ、美しく輝いていた。
長谷部が、庭の隅まで行くと、クルッとAの方に振り向いた。
特になにも言おうとしないのでAは、困った様に笑うだけだった。
長谷部「………俺は」
黙っていた長谷部が、急に話し出すので、ビクッとしたが、気を取り直し、話を聞く。
長谷部「…俺は、お前が嫌いだ。いつも、いつも、どんな時でも笑うから。」
長谷部は、下を向いて話している。
その声は何処か不安が、混じっていた。
長谷部「悲しい時でも、寂しい時でも、怖い時でも。あんたはは何だって抱え込んで、話そうともしない。」
A「…………」
長谷部は、顔をあげた。
その顔は、少し泣きそうで、眉間にシワが寄っていた。
それを見て、苦笑いになる、A。
長谷部「………笑うな」
A「はいはい。」
Aは、肩をくすめる。
長谷部は、もう一度下を向き、Aの着物を掴む。
長谷部「………紅い、前よりもずっと。」
そう言うと、Aの顔に少し影が差す。
Aは、何も言わず長谷部の頭に手をぼふっと乗せて撫でる
A「あぁ、嫌になる。」
その言葉に、驚いて彼女をみると、その紅い目が怪しく光っており、笑ってはいるが目が笑っていない。
作られた笑顔。何も感じさせないその笑顔に長谷部は恐怖を覚える。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 60人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
澤@(；ω；)(プロフ) - 如月葵華さん» ありがとうございます！！これからも精進してまいります！！お名前素敵ですね！♪( ´▽｀) (2016年7月15日 15時) (
レス) id: 58b054150b (このIDを非表示/違反報告)
如月葵華(プロフ) - 面白かったです！更新頑張って下さい (2016年7月14日 17時) (レス) id: f32bcc3c41 (このIDを非表示/違反報告)
澤@(；ω；)(プロフ) - 無気力女子？さん» 投票ありがとうございます！確認しました！これからも頑張ります！( ´ ▽ ` ) (2016年6月14日 23時) (レス) id: 58b054150b (このIDを非表示/違反報告)
無気力女子？(プロフ) - ５と長谷部さんで投票ってことにお願いします。更新無理をせず頑張ってくださいね。 (2016年6月11日 18時) (レス) id: a57bb1f3a3 (このIDを非表示/違反報告)
澤@(；ω；)(プロフ) - ぽテロさん» 投票ありがとうございます！確認しました！ (2016年5月19日 23時) (レス) id: 7f09a5e734 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：澤@(´・ω・) | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/8df5326c611/
作成日時：2015年11月22日 23時
