31話 何かが折れた｡ ページ33
昔､本当に昔｡まだ階段を登るのにも苦戦するような頃だった｡
優しい両親が大好きで､本当に､愛していて｡それがなくなった瞬間､私の中の何かにヒビが入って､私は壊れた｡
周りを無差別に妬んで憎んで､助けようと近づいてくる人達には物を投げて､傷つけて､怒って､2人が死んだのに､なんでお前らはって｡理不尽なことを､ひたすら叫んだ｡
結局痛いのは自分なのに､後悔しては繰り返してしまうから｡
だから私は､怪獣を憎むしかなくて｡積もりに積もった悲しみを､全て憎しみとして腹に納めていた｡
｢
もう､あの悲しみは乗り越えた｡
10年かけて､乗り越えたそれを｡
｢
それを誰かに教えないために､私は強くなったんだから｡
｢ぶっ飛ばす｡｣
お前だけは､絶対に｡
お前だけはお前だけはお前だけは､
絶対に＿＿＿＿｢あー…ごめん｡｣
そんな｡怒りに呑まれかけたときだった｡気の抜けるような､呑気な声が聞こえた｡
｢今日ハここまでにしよう｡｣
｢は？｣
知らぬ間に溢れたであろう鳴海の声｡
(コイツは､何を言って…)
混乱､困惑､動揺｡
そんな言葉が､1番適当だったと思う｡
｢ボク､融合直後は拒絶反応が出ルんだ｡だカらもう帰る｡｣
何を言ってるんだ｡お前は｡
｢ふざけるな｡逃がす訳がないだろ｡｣
勢いよく響いた爆音に紛れ､裏から斬りかかる｡核は狙うな､まだ早い｡確実に仕留める｡そのために､まず足｡
｢その力の有効性は対少数に限らレる上､相手の防御性能が上回っタ場合…無力だ｡｣
斬る｡
｢あ？｣
｢長官を､返せ｡｣
正面から8号｡上から鳴海と､裏から私｡
その2本の腕じゃ､足りないだろ｡
｢前は為スすべなかったが…今度は見えタぞ｡怪獣8号｡｣
ボキッと｡何かが､折れた｡
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さわ(プロフ) - すぶたさん» コメントありがとうございます！これかれも更新頑張ります！ (2022年3月27日 9時) (
レス) id: 5409f31f4d (このIDを非表示/違反報告)
すぶた(プロフ) - なんだこの面白すぎる作品は…！！続きが楽しみすぎて夜しか眠れない(‘ᾥ’)更新待ってます！！ (2022年3月26日 0時) (レス) id: d948df5e48 (このIDを非表示/違反報告)
さわ(プロフ) - ともさん» リクエストありがとうございます！確かに亜白隊長と絡んでない…今後番外編として書かせていただきます！ (2022年3月17日 18時) (レス) id: 5409f31f4d (このIDを非表示/違反報告)
とも - リクエストしたいです！亜白隊長との絡みを見てみたいです (2022年3月17日 17時) (レス) id: 3035439a9e (このIDを非表示/違反報告)
さわ(プロフ) - 朔さん» コメントありがとうございます！これからも応援よろしくお願いします😭 (2022年2月19日 13時) (レス) id: 5409f31f4d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さわ | 作成日時：2021年12月8日 16時
