12話 鳴海の隣は酷く落ち着く。 ページ13
「ただいま。」
「やっと帰ったか。随分遅かったじゃないか。」
「ごめん。ちょっと色々あって。はい、おみやげ。チョコ味だよね。」
「あぁ、ありがとう。助か…る…。…どうした。」
布団の中からこちらを見上げる鳴海が、珍しく動揺する姿が目に映った。
そこまで、酷い顔をしているだろうか。
「…なんでもない。…ことは、ないけど。大丈夫。大丈夫だから、少し、ここ居させて。」
鳴海の部屋は、酷い匂いがする。
でも、鳴海の隣は酷く落ち着く。
理由を問われれば、鳴海が鳴海だからだと答える。
それ以外、理由なんてない。
「素材集め再開するぞ。あと2日でイベントが終わってしまう。それまでに限定アイテムを交換せねば。」
「これあと何個集めたらいいの?」
「100。」
「鬼かよ。」
かなりの耐久型のボスを倒してようやくクリアできるクエストで1周回につき1つしか手に入らない素材を1日50個て。50て。アホか。
「…鳴海、あんがと。」
「なにがだ?」
「なんでもなーい。」
私が聞いてほしくないと分かってて、何も聞かないでくれるところがいい。
本当は気になるかもしれないし、全く興味がないのかもしれない。
その答えがどちらであろうと、私が救われている事実に変わりはない。
関心があるなら嬉しいし、無関心でも救われる。
「明日の午後もまた来るから。それまでに1人で半分は稼いどいてね。」
「任せろ。」
それから日が落ちるまでの数時間。
カチャカチャというコントローラーの音だけが、静かな部屋に響いていた。
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さわ(プロフ) - すぶたさん» コメントありがとうございます!これかれも更新頑張ります! (2022年3月27日 9時) (レス) id: 5409f31f4d (このIDを非表示/違反報告)
すぶた(プロフ) - なんだこの面白すぎる作品は…!!続きが楽しみすぎて夜しか眠れない(‘ᾥ’)更新待ってます!! (2022年3月26日 0時) (レス) id: d948df5e48 (このIDを非表示/違反報告)
さわ(プロフ) - ともさん» リクエストありがとうございます!確かに亜白隊長と絡んでない…今後番外編として書かせていただきます! (2022年3月17日 18時) (レス) id: 5409f31f4d (このIDを非表示/違反報告)
とも - リクエストしたいです!亜白隊長との絡みを見てみたいです (2022年3月17日 17時) (レス) id: 3035439a9e (このIDを非表示/違反報告)
さわ(プロフ) - 朔さん» コメントありがとうございます!これからも応援よろしくお願いします😭 (2022年2月19日 13時) (レス) id: 5409f31f4d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:さわ | 作成日時:2021年12月8日 16時