悪い男に出会う前。 (ページ4)

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4話ページ4

「ヒ、ヒチョル…？」

「お前この手…なにしたんだよ」

俺がさっき聞いた言葉をもう一度真剣に問いただせば、少し気まづそうに笑って

「まだ、内緒。」と言った。

てっきり理由をいうと思ってた俺はポカーンと苦笑いしているそいつを見つめた。

「でも、ぜーったいヒチョルには話す時が来るから、安心してよね笑」

だから手離して？とまだニコニコと笑うこいつ。

さっさと理由を言えばいいのに。
いつか分かるってなんだそれ。
なんか、Aらしい。

そんなことを思ってるうちに

自然と行動してしまっていた

「えっ……」

気づいた時には目の前には真っ赤な顔のA

その顔を見て、今自分がやったことに気がついた。

「手、早く治るように、おまじない。」

そうなんとかごまかしてそそくさと衣装を受け取って着替えに戻る。

「ヒ、ヒチョルあほぉぉぉぉぉ！」

と後ろで聞こえたのは聞こえなかったことにしよう

手の甲にそっと唇を落とした。

ただそれだけで照れるあいつは彼氏ができるのだろうか。

そうやって自分で思いながら、誰かがあいつの隣にいることを考えてズキッと胸が痛んだのに

気が付かないふりをした。